間取りの考えすぎに注意

間取りの失敗

家を新築するとき間取りを考えるのはすごく楽しいです。

これこそ家づくりの醍醐味。

家の工法によっては制約もありますが、自由に部屋を組み合わせたり自分好みの家を考えるとこができます。

間取りを考えるのは楽しいので、いつまでも考えていたくなりますが、考えることには弊害もあります。

要素を詰め込みすぎる

考えれば考えるだけ間取りに関するアイデアは浮かんでくるかもしれません。

せっかく思いついたのだから、あれも、これもすべて実現したい、といろいろなアイデアを取り入れていくと、家はごちゃごちゃした感じになってしまいます。

造りつけの家具であったり、収納のアイデアを盛り込んだり、ステップフロアを作って室内を立体的にしたりと、いろいろと付け加えると、一つ一つのアイデアとしては悪くないものでも、それらが組み合わさることによって、全体のバランスが崩れてしまうということが多いのです。

家は箱。

こんな考え方もあって、とにかくシンプルな家を心がけて、後から家具などで家の中を味付けしていくというのも一つの方法なのです。

この考え方のメリットは、家が固まらないことです。

あくまで箱であり、どのように使うかはその都度、家具などにより変化させることができる。

部屋の用途を柔軟に変更できるような間取りとしておく、というのも一つの方法です。

間取りに正解はない

間取りを考えていると、どんどん間取が変化していくと思います。

でも、間取には正解というものはありません。

そして、間取を考えているという状態は、あくまでその間取りは仮の間取りということ。

仮の状態の間取りに住んだことを想像して考えていると、すごくいい家が出来そうに感じるかもしれません。

でも、その状態はあくまで仮。

どれだけ検討しても、仮なので、想像でしかないのです。

その間取りが、いい間取りかどうかの答えは、実際に住んでみないとわかりません。

しかも、それは長期にわたって住んでみて、やっとよかったかどうかがわかるというもの。

ちょっと住んでみるくらいでは間取りの良し悪しはほとんど判断できないのです。

ということは、間取の成功、失敗というのは、その間取りの家が完成して、実際に住んで生活した間取りについてしかわからない、ということ。

それ以外の途中で検討しただけの間取りは、成功なのか失敗なのか、本当のところは、わからないのです。

間取り図の段階では、どんなに素晴らしく見える間取も、住んでいないならばデメリットは見えませんし、たいしていいとは思えない普通の間取りでも、住んでみたらすごく便利で良かったなんてこともあります。

住まなければわからないのですから、考えすぎないで、ある程度検討して間取りを決定することはむしろ成功への近道ともいえるかもしれません。

家が建ち、そこで暮らすことが一番の成功ですから。

細かい間取より住むタイミングのほうが重要

間取りは非常に重要ではありますが、あくまで家の一要素にすぎません。

はっきり言えば、普通の間取りなら工夫次第で快適に過ごすことができます。

逆に言うと、凝った間取りでは、工夫してもどうにもならないことも・・・。

そして、間取よりも重要なのが家に住みはじめるタイミング。

家は、あったほうがいい時期、というものがあるような気がしています。

たとえば、こどもが小さいとき。

アパートの2階に住んでいて、小さなこどもがドタバタと走り回るのは非常に気になります。

叱ったりしながらある程度はおとなしくさせますが、どんなに言い聞かせても、こどもはいろいろと音を出しますし、走ったり暴れたりします。

これを絶対にやらせないようにすることはほぼ不可能ですし、小さなこどもにとって、家の中でとにかく静かに過ごさせるようにしつけることが、教育上いいことかどうかもよくわかりません。

ならば、その時期にこそ家があったら・・・誰しもが考えることです。

こどものためだけではなく、親にとっても、階下の方を気にかけたりというストレスから解放されます。

この時期に家を検討する。

でも、間取りがしっくりこないから、家の購入を決断できない。

これでは家が欲しい理由となったこどものために、というタイミングを逃してしまいます。

間取りと同様に家に住むタイミングも非常に重要だと思います。

オーソドックスな間取りはいい間取り

建売物件を見ていると、注文住宅のような目を引くような間取りは少ないため、なんだか普通すぎて不満を感じてしまうこともあります。

でも、それは間違いです。

建売では、見た目も重要ですが、万人に好まれる間取りを心がけます。

最近でこそ、目を引くために多少凝った間取りの建売も見かけるようになりましたが、建売という性質上、どうしても多くの人が好み、嫌われないような間取りになっています。

そして、万人に好まれるということは、家族が成長したり巣立って行ったりして、家族の形が変わっても、好まれる間取である、とも言えます。

万人に好まれるとはいっても、家を購入される方は圧倒的に子育て世代が多いので、そういった家族に好まれる間取りとなっています。

ハウスメーカーを選定して、要望を出し、提案される最初の間取りは、ちょっと目を引くようなアクセントは付いているかもしれませんが、ごく普通の間取りを提案されることが多いです。

でも、いろいろと考えて、修正をお願いする。

それを何回か繰り返すと、最初の間取りからかなり変わっていることはよくあることです。

おそらく最初の間取りはオーソドックスな間取だったとすると、間取りを考えるということは、オーソドックスな間取りから遠ざかっていった、とも言えます。

それは万人に好まれる間取りではなくなってしまったということです。

今は修正したその間取りがベストかもしれません。

でも、40年近く住むとした場合、その期間を通してのベストの間取りかどうかは疑問です。

間取りは考えすぎないほうがいいかも

間取りはある程度方向性が出たら、そこを微調整する程度にするほうがいい。

大きな変更は意外と失敗につながります。

後になって振り返ってみると、最初の間取が一番よかった、なんてこともあり得るのです。

でも、その答えは実際に住んでみなければわかりません。

図面を見ているだけではわからない失敗や成功があるからです。

正解が解らないのだから、最初に自然に考えてできた間取りが、いろいろ検討して変更した間取りより正しい可能性が高いのではないか?

こういった失敗を防ぐためにも、間取を何度も修正したら、一度初めの間取りを見て比べてみるのもいいかもしれません。

その時は気が付かなかった、当初の間取りのメリットに気がついたり、今の間取りのデメリットに気がつくきっかけになるかもしれません。

考えれば考えるだけいい間取になるとは限りません。

間取りの考えすぎには気を付けてください。

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