吹き抜けの3大デメリット

間取りの失敗

吹き抜けには、メリットもありますが、かなり大きなデメリットがいくつかあります。

それを知り、デメリットを理解したうえで吹き抜けを採用することで、後悔することを防ぐことができます。

吹き抜けのデメリットの中でも、大きなものを3点あげます。

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冷暖房が効かない

吹き抜けがあると、床面積が同じだったとしても、天井までの高さが普通よりかなり高いため、室内の空間は必然的に大きくなります。

当然、エアコンの効きは悪くなる。

問題となるのは、特に、暖房。

暖かい空気は上へ上へと向かい天井付近にたまりますので、暖房をかけても部屋の下の方はなかなか温まりません。

逆に、冷房は想像していたより普通に効きます。

冷房については、体感としては吹き抜けのない部屋と大差ないかもしれない、と感じるほどです。

ただし、夏の場合は、吹き抜けにある窓からの日差しが厳しすぎます。

吹き抜けをつくる場合、吹き抜けの高い位置に採光用の窓を設けている場合がほとんどです。

そういった窓が無いと、せっかくの吹き抜けの解放感も、暗い大きな空間があるだけになってしまうため、ほぼ必ずと言っていいほど窓があります。

吹き抜けの高い位置の窓には、わざわざシェードなどを付けないことも多いのですが、その窓からの日差しは普通の部屋の日差しとはわけが違います。

太陽が高い位置にある日中は、普通の部屋の窓なら日差しが入るスペースはかなり小さくなっていると思います。

でも、吹き抜けの窓からは、普通の部屋の窓とは比較にならないくらい大きなスペースに太陽の光が降り注ぐことになるのです。

そうなると吹き抜けの窓にもシェードなどを付けるしかありませんが、常にシェードを締めてしまうなら、そもそも吹き抜けの意味に疑問を持つことにもなってしまいます。

音が伝わりやすい

吹き抜けはたいていリビングにあります。

そして、2階はそれを囲むような形で廊下があり、それぞれの部屋、寝室や子供部屋などがあることが多い。

リビングから2階の部屋の扉が一つの空間のようにつながったような状態になっていると思います。

このような間取りではリビングの音が各部屋に聞こえやすいことになります。

いい意味では、リビングから2階の部屋にいる子供を呼べば、確実に聞こえるので簡単に呼び出すことも可能です。

ただ、呼ばなくても、十分に聞こえてしまうくらい音が2階にも届いてしまうため、リビングのテレビの音が各部屋で気になるくらい聞こえてしまうのです。

こどもが勉強していたり、部屋で仕事をしているときに、リビングで誰かが見ているテレビの音が気になってしまう。

あまりに気になるため、テレビの音を下げてもらう。

テレビの音は下げてもらった、でも、しゃべり声や笑い声は聞こえてしまいやはり気になる。

結局、声のボリュームも落としてもらわないといけなくなります。

勉強や仕事などをしていて、部屋で起きている状態ならまだいい。

2階の部屋にいる側が起きて勉強や仕事をしているのだから、音の対策としてイヤホンをして音楽を聴いたりしてごまかすこともできるから。

でも、明日朝が早いから先に寝ている家族がいる場合などは、さらに気をつかうことになってしまいます。

部屋にいる家族、リビングにいる家族、そのどちらにとってもストレスを感じることになってしまいます。

お手入れが面倒

吹き抜けを採用した方のほとんどが、採光のために高い位置に窓を作っていると思います。

吹き抜けのメリットである、部屋を広く感じさせたり、開放的に感じるにはやはり明るくなければ意味がありません。

そうなると必然的に吹き抜けに窓をつくることになります。

そういった意味で吹き抜けには、開閉しない窓、FIX窓を採光のためにいくつか配置するというような形が多くみられます。

高い位置に窓があり、そこから遮るものはほとんどないため採光という意味ではすごく効果的です。

ただ、その窓は、非常に高い位置にある。

そのため簡単に拭いたりお手入れすることはできません。

さらに、窓があるということは壁のように完全なフラットにはなっておらず、凹凸が少なからずあるということです。

高い位置のためそれほどホコリはたまらないのですが、1年も経てば気が付くとその部分にほこりが溜まってしまっています。

窓枠にほこりくらいならいいのですが、窓ガラスに汚れがついていたりしても、拭くことは困難です。

たいていは雨などで汚れも流れ落ちますが、自分では簡単には掃除できませんので、流れ落ちるまではその汚れがずっとあることになってしまいます。

高いところにある窓用の長いポールが付いた清掃用品などもありますが、そのためだけに必要になってしまいますし、そもそも長いポールを持って窓の掃除をするなんて面倒で手間以外のなにものでもありません。

さらに、吹き抜けでは、窓だけではなく、照明器具も高い位置に付いています。

吹き抜けの天井にそのまま照明を付けることは、光が居住空間まであまり届かないため、ほとんどないと思いますが、天井から吊り下げられている照明はよく見かけます。

天井までの高さがあるため吊り下げる高さを調整して、照明の高さに変化を付けたりするとすごくかっこいい。

見た目は文句なしなのですが、窓と同様に照明もメンテナンスが必要です。

照明自体の掃除は窓と同じような長い清掃用品で掃除できるかもしれませんが、器具の交換などはもう普通にはできません。

高い脚立や梯子を持ってきてもほとんど無理。

照明の位置によっては頑張れば自分でもできなくはない場合もありますが、基本的には危険なのでやめたほうがいい。

無理してけがをしたら元も子もありませんので、金銭面さえ問題なければ業者やハウスメーカーに依頼することになる。

吹き抜けのメンテナンスは簡単ではありません。

3大デメリットを許容できるか?

冷暖房、音、メンテナンス。

この3つが吹き抜けの大きなデメリットです。

この3つを許容できる、または、デメリットとは感じないような環境であるなら、吹き抜けは非常に見栄えもよく、いい選択になるかもしれません。

でも、この中の内の一つでも気になる場合は、吹き抜け無しの間取りも検討してみたほうがいいかもしれません。

吹き抜けは、縦に広くして空間を大きく見せ、解放感を得るためのものです。

吹き抜けがあると非常に気持ちはいいですが、その空間は実際に使用するわけではありません。

あくまで解放感などの感覚的なものです。

吹き抜けを採用せずに、部屋と部屋のつながりなど、横方向のつながりをうまく利用して、視線を遮るような壁を遠ざけて、部屋を広く開放的に見せる方法もあります。

吹き抜けが無くても工夫次第によってはある程度の解放感は得られますので、デメリットが気になるようならば、吹き抜けに固執する必要はまったくありません。

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