家族用と来客用に玄関を中で分ける。
家族だけの時は家族用玄関を、来客時は来客用の玄関を使う。
そうすることで普段は来客用の玄関を使わないことで、いつお客さんがやって来ても、常にきれいな玄関を維持できます。
突然の来客時に急いで玄関を掃除する必要がありませんので安心です。
でも、実際に住んでみると、かなりの誤算がありました。
使用頻度はどれくらい?
ファミリー玄関は、間取りを考えているときには、あると便利そうに感じますが、来客がそれほど多くない家にとっては非常に無駄なスペースになりかねません。
玄関がきれいなまま飾られている、という感じになってしまう。
確かに急な来客時などには、とても便利とも言えますが、普段の生活を考えてみてください。
来客用の玄関は、やはり玄関ドアを開けて正面になるように作ると思います。
そして、その左右のどちらかにファミリー玄関が来るようなレイアウトになる。
普通の玄関の家では、玄関を開けてそのまま真っすぐに家に入れるのに、ファミリー玄関がある場合、ちょっと迂回して家に入らないといけなくなるのです。
間取りを考える上で動線にも気を配ると思いますが、なぜかファミリー玄関の動線だけは最初からあきらめている、というのが現状だと思います。
家の出入りに使用する玄関の利便性が犠牲になってしまっている。
本当に不思議です。
玄関は汚れがち
たしかに玄関は靴でごちゃごちゃしたり雨の日などは泥を持ち込んでしまったりして非常に汚れやすいところです。
さらに、子供がいれば晴れの日だって靴に泥をつけて帰ってきて玄関が常に泥だらけなんてこともよくあります。
でも、ファミリー玄関があればそれを隠すことができる。
こんな風に考えてしまうのだと思いますが、実際にうまく機能させるのはなかなか難しいです。
引越し当初はいいのです。
新しい家を意識して生活しているうちは綺麗なままでしょう。
ただ、家には何年、何十年と、ずっと住み続けるのです。
そのうち新築は普通の家になる。
そうなってもファミリー玄関を意識して生活することはできるでしょうか?
それはなかなか難しいと思います。
だって、目の前に最短の動線が見えているのに迂回しないといけないわけですから。
最初はたまにという頻度で、急いでいたから、とか、今回だけ、とか理由を付けながら来客用玄関で出入りしていたのですが、気がつくと、ファミリー玄関は使わずに、最短ルートの来客用の玄関で普通に出入りしてしまっていました。
ファミリー玄関はどうなったかというと、いつの間にか物置のような状態になっており、下駄箱代わりの靴置き場になってしまっています。
一番便利なところにある出入口を使わない、こんなことは相当来客があって常に玄関をきれいにしておきたい方以外は、ほとんど不可能かもしれません。
また、そんなに来客があるなら、玄関は来客専用と割り切って作ってしまい、ちょっと立派な勝手口をつくって、そこを家族用の玄関にしたほうがいいかもしれません。
収納を隠せるというメリット
ファミリー玄関にもメリットはたくさんあります。
メリットの中でも一番大きなものは、玄関をきれいに保てる、と思ってしまいますが、それ以上に靴入れなどの大きな収納を隠すことができるということが意外と大きなメリットです。
また、玄関は家の外と中をつなぐところ。
ということは家の外で使うようなものを収納する場所も玄関にあると便利です。
玄関に土間収納がある家はたくさんあると思いますが、玄関に収納の大きな扉があったりするのは、それほど見栄えのいいものではありません。
こういった収納関係をファミリー玄関に作り、来客用のスッキリとした見せる玄関を作ることができるのがファミリー玄関の一番のメリットだと感じました。
必要か、不要かは微妙
私の場合、ファミリー玄関は必須かと聞かれれば、必須ではない、と答えます。
当然無くても生活に支障はない。
でも、あると便利な面もある。
これがファミリー玄関の感想です。
ただ、その程度のものにどれくらいの費用をかけるべきか?というのが一番の問題。
玄関をつくる費用だけではなく、ファミリー玄関を作るにはどうしても大きなスペースが必要になります。
建築面積、施工面積が増えれば当然金額はアップします。
さらに、ファミリー玄関をやめてそのスペースをそのまま一つの大きな玄関としたほうが見た目としてもより立派な玄関になる、ということも考慮しなければいけません。
来客の頻度にもよりますし、それぞれの考え方になってしまいますが、ファミリー玄関にはそれほどこだわる必要はないのではないか?と感じています。
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