回遊型の間取りだからいいわけではない

家作りの考え方

回遊できる間取りだから動線が短くてスムーズ。

こんな言葉をよく見かけます。

でも、本当は回遊できる間取りだからといって動線が短くなるわけではありません。

回遊する必要性に疑問

回遊型の間取り。

こんな言葉に騙されてはいけません。

回遊型の間取りのイメージとしては、リビングとキッチン、そのどちらからも洗面室や家事室といわれるような洗濯機がある部屋にアクセスできるような間取り。

家の間取りを検討しているときには、今流行っているというのもあり、新しい感じがして動線としてもスムーズに感じる。

悪いことがないように思います。

でも、回遊しない間取りは動線がスムーズではないのでしょうか?

そうではないはずです。

動線について書かれているものの中には、動作として前後するような動きはスムーズでない、だからぐるりと回れる回遊型が優れている、などと書いてあるものもありました。

それって本当ですか?

車なら前進していて方向転換するかバックしないといけないので、ちょっと面倒かもしれませんが、人間ってそれくらいの動きは難なくこなせるはずなのでは?

むしろ、前にしか進めない、後ろを振り返れない、そんな人はほとんどいないはずです。

回遊するには無駄が増えることも

回遊するということは通路が余分にあるということ。

それは非常に無駄なスペースだと思いませんか?

多くの方が考える、廊下はできるだけ少なくしたい、ということとは逆行しています。

いや、間取りを見ても、廊下は増えていないけどうまく回遊できている。

そう思う方もいるかもしれません。

でも、動線を見てみるとLDKに廊下の代わりとなるような通路の部分が増えてはいないでしょうか?

LDKを広くしたいので、廊下をできるだけ少なくしたい。

こういった間取りはたまにみかけますが、LDKとしてのスペースは大きくても、実際には通路として確保しなければならないスペースが多くて、LDKが〇〇畳、と書いてあるほど実際には大きく感じない。

廊下とは呼ばないだけで、LDKに通路が増えただけというパターンはよくあります。

つながりが悪いだけかもしれない

動線は、回遊しているからスムーズと言うことはありません。

家の中の動線と言うのは、本来前後に動くもの。

それが普通だし、特に問題もないはずです。

回遊しないと動線がスムーズにならないようなときは、部屋の配置が悪く、LDKと家事室とのつながりがうまくいっていない場合が多いです。

そのため回遊できるようにして、動線を短くしたりしているのですが、もしかしたら間取りを抜本的に見直して、部屋の配置を考え直せば、回遊することもなく動線が短くできるかもしれません。
その場合、回遊型よりも通路となる部分は少なくすることができると思います。

回遊型の間取りが悪ではないが

土地の形や皆さんの家の希望などいろいろな制約によって、家事動線をよくするには回遊型がいい場合も確実にあります。

回遊型の間取りにもいい間取りはたくさんある。

でも、回遊できない間取りでもいい間取りはたくさんあります。

動線がよく、家事を楽に行えるということは間取りを考える上で重要な要素です。

そのための手段として回遊できる間取りがあるだけです。

回遊型の間取りにこだわる必要はまったくありません。

コメント

  1. […] 方が考える、廊下はできるだけ少なくしたい、ということとは逆行しています。 家づくりの失敗例・後悔例より引用   引用元の記事回遊型の間取りだからいいわけではない|家づくりの […]

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