室内の仕上げの不満

家作りの考え方

家をハウスメーカーで建てた。
でも、思ったより仕上げが雑。
壁紙、巾木、建具の組付けなど、よく見るともう少し丁寧に作業してほしい、という個所が見つかるかもしれません。
でも、これは仕方ない面もあるのです。

壁紙なんて

室内に壁紙を貼る。
壁紙を貼る理由として、石膏ボードは比較的脆いため、強度的な意味もありますが、もう一つの重要な機能として、裏になる石膏ボードを隠し見た目をスッキリとさせるというものがあります。
もともと壁紙なんてものは、裏の汚い部分を隠すために、きれいな紙を貼っておく、というようなもの。
たいしたものではありません。
石膏ボードを貼っていくと、どうしても隙間ができてしまうことがあります。
いや、時間をかけて擦り合わせれば、限りなく隙間0に近づけれことはできるのかもしれません。
でも、そんな時間と費用は無駄。
石膏ボードをきれいに仕上げる費用として、10万円追加なんて支払う人はいないのではないでしょうか?
壁紙は、それを隠すための物。
面積が広いため目についてしまいますが、耐震性だったり、断熱性能、設備の使い勝手など住み心地などにはほとんど影響はありません。
まあ、あまりに仕上りが悪いと非常に目につくため、あまり気持ちのいいものではありませんが・・・。

たとえば、アパートに5年程度住んだとします。
どんなに気にして生活しても、壁紙の1ヶ所や2ヶ所は汚れたり傷がついたりしていると思う。
これは退去時にどのような扱いになるのか?
敷金から引かれて住んでいた人の負担になるかと思いきや、普通の小さな傷などは避けられない経年劣化ということで、住んでいた人が修復する必要はないのです。
ということは、5年もすれば壁紙なんてボロボロになっても仕方がないということなのです。
壁紙なんて、そんな程度のものなのに壁紙の仕上げについて、過剰にこだわるのはどうなのでしょうか?
個人的には、壁紙の仕上がりなんてたいした問題ではない、と感じます。
あくまで過剰にこだわるのは、どうだろう?と疑問には思うのですが、最低限度の仕上がりというものもあります。
はじめからボロボロではさすがに問題です。
その点は補修してもらうとしても、一度気になりだすと、細かい点まで目が行ってしまうものですので、あまり過剰な品質を求めないように気を付けたいです。

巾木も同じ

ちなみに、大工さんや職人さんが時間をかけるということはお金をかけるのと同じ意味なので、ゆっくりとでいいので丁寧に施工してください、というのは実際には費用がかかること、という認識も必要です。
施主としては金額が変わらないのなら丁寧にと思うかもしれませんが、それは施主のエゴでもあります。
ハウスメーカーには施工に対して、基準があります。
その基準を満たすなら、それ以上を求めるのは無理があるのではないでしょうか?
ただ、その基準というものがあまり明確にはなっていないため、やっかいな点でもあります。
家は何メートルという大きさの物。
1mm、2mmというようなずれは必ずあります。
こちらも過剰に目くじらを立てないようにしましょう。

仕上がりについて意識が低い

ハウスメーカー、工務店どちらも仕上りについて、それほどこだわってません。
これは昔からそのまま。
工業製品などの工場で作られるものは、生産設備の進歩などにより一気に製品の品質が均一になりました。
施主はどうしても、これらの品質や出来上がりのレベルで考えてしまいがちです。
でも、家は違います。
工場生産の部分が多いプレハブメーカーは工場生産により精度は上がってきています。
木造軸組み工法でも、上棟時の柱などは工場でもプレカットで、非常に精度が上がっている。
でも、その後の工程では、いまだに大部分、特に、仕上げの部分は手作業のまま。
これを職人の腕だけでカバーするには無理があります。
極端な話、まったく同じ家は一軒もない。
同じ図面と同じ部材で家を建てても、どうしても違いは出てきてしまいます。
ちなみに仕上りということだけで考えれば、むしろ昔の家のほうが上かもしれません。
今よりも工期にゆとりがありましたからね。
家の仕上がりなどの細部について、ハウスメーカーや工務店は工業製品のように均一にはできないことを知っています。
そして、仕上りの質を上げることにそこまで積極的ではなく、施主との間に意識の違いが生まれてしまっています。

仕上りは金額に比例する

ハウスメーカーや工務店選びにおいて、同じような仕様の家でも見積が結構違うということはよくあることです。
この違いは設備だったり、大工さん、職人さんの工期なども影響します。
同じ作業を2ヶ月かけるのと、3ヶ月かけるのでは、大工さんへの支払も変わってきます。
2か月なら50万ですが、3ヶ月なら70万というように、当然長く拘束するのですから、費用も掛かる。
これだけ工期違うなら、完全に同じ工事内容だとは思いませんが、もし同じだとすると、3ヶ月かけたほうが丁寧な施工になるのは間違いありません。
そして、3ヶ月かけるほうが、最初の見積価格も高いのは必然です。
こういった具合で、仕様はほとんど変わらないのに、値段が違うというような状況が生まれてきます。
もし、仕様がほとんど同じなのに、見積金額が結構違うというときには、施工や仕上げに差があるのかもしれません。

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