新築を検討していて、まず最初に悩むのが家を建てるのをどこに頼むか?
住宅展示場に行っても、大手のハウスメーカーだけでも十数社はありますし、建築予定地で施工可能な会社という範囲ならば、工務店などまで入れたら数百社になってしまいます。
その中から1社を選ぶ。
簡単なことではありません。
検討に検討を重ねて最後の1社に絞り込むには、完成見学会に参加したり、詳細な見積やプランをもらったりと入念に検討すべきです。
でも、まず最初の数社程度まで絞り込むところでそんなに力を入れて検討していたら、体力も気力も持ちません。
ある程度ザックリと絞り込む必要があります。
その基準となる考え方をいくつか挙げてみます。
家に望む特徴を考える
ハウスメーカーや工務店には、3階建てが比較的多かったり、気密、断熱性が高いなど、それぞれに特徴があります。
その特徴は、そのままそのメーカーや工務店の得手、不得手にもなっています。
モデルハウスやこれまで建てた完成した家を見て、このメーカーは、どのような家が得意で実績があるかを確認しておきましょう。
たいていのハウスメーカーや工務店には、建築実例集であったり、これまでに建てた家の写真などがあるはずなので、それをじっくりと見るといいと思います。
実例で見るのは、設備や間取りだけでなく、家の外観、見た目についてもです。
はっきり言って、見た目などはある程度同じ外壁の材料を選ぶなどすれば、同じような見た目にはなります。
でも、あくまで同じような感じになるだけで、同じにはなりません。
その理由としては、ベースとなる構造や資材が異なるからです。
建てた実績のないような家を建ててもらう場合でも、もしかしたら特に何事もなく完成するかもしれません。
でも、たいていの場合は、想像以上のトラブルが発生します。
これが実績がある、経験がある場合、すでにそのトラブルを経験済みなのですから、あらかじめ避けることが出来ますし、もし同じようなミスが起きても、それに対応するのも経験上容易です。
やはり経験に勝るものはありません。
ハウスメーカーの営業さんに、こんな家はできますか?と聞いてみると、結構安易に、問題なくできます、という返事をもらう場合がありますが、いざ施工の段になると、実績のないことは難しかったり、ミスを誘発することになります。
最悪の場合は、後になってから、できません、なんていう正反対の回答がでてしまうこともあり得ます。
モデルハウスや完成実績などから、これだという、あなたの望む家に近い実例を探してください。
これがハウスメーカー、工務店選びの第一歩です。
予算は現実的に
家を見てから予算を検討するのではなく、最低限のある程度の予算を検討して、予算に目星を付けたうえで家を検討しましょう。
普段の買い物では当たり前のこと。
でも、家の場合、住宅ローンが通るならば、予算の上振れに寛容になりやすいです。
3000万までにしようと思っていたが、3500万の見積もりが出てきた。
住宅ローンの審査には3500万でも通ったので、ちょっと無理してでも、なんて考えてはいけません。
そもそも、予算の想定はその後の生活を考えて検討したはずです。
それなのに予算オーバーに軽々しくOKを出しては非常に危険です。
実際、契約前の段階で予算オーバーのところには、頼むべきではありません。
いい家を見ると、私もこんな家にしたい、というような希望、要望がどんどん出てきてしまいます。
ちょっと無理してローンを組めば、無理ではないかも!?
ハウスメーカーの営業さんも、お客様くらいの年収ならこれくらいの住宅ローンを組んでも大丈夫、なんて言ってくれる。
ちょっと待ってください。
ちょっと無理して住宅ローンを組んではいけません。
住宅ローンの期間はマイカーローンなどとは違い、返済期間は最長35年とかなりの長期にわたります。
それをはじめの想定段階から、ちょっと無理して、なんてことでは絶対にいけません。
現状の収入では、そこそこゆとりのある支払金額でも、後々の収入の変動でぎりぎりになる場合だってあるのです。
今の収入から考えて、ちょっと無理した金額の住宅ローンは非常に危険ですのでやめてください。
とは言え、家を購入するような金額のローンを組むことは、ほとんどないため、心配になってしまい、当初の予算計画では、かなりゆとりをもっている方が多いと思います。
そのゆとりの金額から、ちょっと無理した金額に予算を増額しても、結果として、問題なく返済できる場合も多いとは思います。
でも、8割の人は問題なく返済できたが、2割の人はできなかった、というような住宅ローンの金額は間違いだと思うのです。
現在の収入がこれくらいだから、これくらいなら多少のゆとりをもって返済できる。
こういう金額にしておけば、9割以上の人が問題なく返済していけると思います。
個人的に、住宅ローンは現在の年収から2割ダウンしてもギリギリ返済できる程度の金額にすべきだと考えています。
家の性能は数字だけじゃない
車を買うとき、見た目ももちろん重要ですが、性能のいい車が欲しい、と考える方は多いと思います。
それは家だって同じです。
車と同じように性能のいい家が欲しいと考えます。
でも、家の性能は比較するのが非常に難しい。
そうなると、家の性能でわかりやすいもの、Q値やC値などを非常に重要視する場合が多いです。
見た目などのデザインは比較的自由に変更できるので決め手になりにくく、数字で出てくる性能はそれほど多くないので、思わず数字で表される性能、C値、Q値、UA値を重視してしまいます。
C値が低ければ低いほど、高気密な家。
Q値、UA値は、両方とも熱に関する値で、低ければ低いほど、熱を逃がさない高断熱な家。
どちらもいい値、低い値であるに越したことはない。
しかも、数値で比較できるので非常にわかりやすいため、どうしても、性能=数値、とにかく数値のいい家を、と考えてしまいます。
でも、家の性能ってただこの数字だけではありません。
見た目の満足度であったり、住みやすさ、これらも家にとって重要な性能です。
数値が出ているとわずかな差でも少しでも性能のいい方を選びたくなります。
車を買う場合、カタログを見ればかなり詳細な仕様が出ています。
比較できる数値がたくさんあるためか、あまり細かい性能は比較しないと思います。
これが、家の場合は詳細仕様がほとんどない。
そのせいか、何個かしかない数値性能を過剰なまでに重要視してしまう傾向があります。
ただ、実際にハウスメーカーどうしで比較すると、これらの数値に結構差があるとなかなかあえて悪い方を選ぶのって難しいと感じるかもしれません。
でも、省エネ性能だけを考えるなら、そもそも窓のない家にしたほうがいいことになってしまう。
窓が無ければ、圧倒的に隙間も減りますし、断熱性能もよくなります。
では、窓無しの家でいいのか?
いいわけがない。
窓が無ければ、家の中は昼間から真っ暗です。
車を決めるとき、燃費や走行性能も大切ですが、見た目ってかなり重要ではないですか?
家だって同じです。
数値で見える性能ばかりに気を取られないようにしましょう。
感覚重視もあり
好きな雰囲気、予算、総合的な家の性能、このあたりを考慮しながら、大雑把にハウスメーカーを絞りこんでください。
ただ、あまりに考えるすぎてしまうよりも、結局は、最初の印象、であったり、なんとなくこの家が好き、というような感覚的なものでも十分です。
3社程度まで絞り込んだ後、最終的にプラン、見積をもらって契約する施工会社を見つければいいのですから。
その上、最終的に絞り込んだ3社の中で決めなければいけないわけではありません。
見積をもらって、3社とも予算やプランに納得がいかなければ、また、最初に立ち返って、新たなハウスメーカーを探すなどして、施工会社の絞り込みから始めればいいだけです。
この時までに住み始めたい、という時期はあるかもしれませんが、そういったものがない場合は、あまり力を入れずに気楽に選ぶ方がいいと思います。
また、マリッジブルーではありませんが、これでもう後戻りできない、というような心境になると、どんどん不安は増していきます。
でも、契約後だって、絶対に解約してはいけないわけではありません。
解約のタイミングによっては、金銭的にはダメージを負うかもしれませんが、その後、何十年も後悔するくらいなら多少の解約費用は安いものだとも考えられます。
後戻りできるのですから、過度に気負わずに楽しんで施工会社を決めることができたら最高ですね。
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