マンション傾斜問題から基礎を心配する必要はないが

家作りの考え方

三井不動産グループが販売した横浜市のマンションの施工不良による傾斜問題が大きく報じられています。
たしかにマンションを購入して、施工不良により傾いてきたらたまったものではありません。
この施工不良のニュースから、マンションを購入する方だけでなく、これから家を建てる方も非常に心配になるのではないでしょうか?
ただ、このニュースから家を心配する必要はほぼないと私は考えています。

地盤の問題は一番難しい

家の断熱材など内部については、後から確認するのは難しいです。
でも、基礎や地盤などについてはもっと難しい。
基礎はともかく地盤改良がきちんとなされているか?、さらに言えば、地盤調査が適正であったか?などということは調べるのはほぼ不可能に近いです。
この調査や改良について、いちいち実際どうなのかと確認することはありません。
今回はデータの改ざんなどがすぐに見つかりましたが、もっと巧妙にやる方法はいくらでもあったと思います。
データの改ざんなどがずさんなので、おそらく担当者は何かのミスや工事の遅れをカバーするためにごまかしてしまったのではないかと思います。
結局、地盤改良は下請けとなる各会社に任されていますので、担当者や会社がその気になれば何とでもなってしまうもののようです。
問題は、それが基本的に気付くことができないということでしょうね。

一戸建てではほとんど影響なし

一戸建ての地盤改良は、大きなマンションに比べるとある程度簡単です。
手抜きをしなくてもそれほど工期に問題が出るようなことはありません。
それならわざわざ手抜きをするようなことはほとんどないでしょう。
そして、鋼管杭などを打ったとして、万一支持層まで実は達していなかったとします。
でも、問題になることは余りありません。
支持層まで達しないというような場合、おそらく、杭の長さはある程度長いと思います。
そうなると杭と地面との摩擦力によってある程度は沈下が防げるからです。
そのため施工不良があろうがなかろうが、結局大丈夫なことがほとんどだと思います。
ただ、これは一戸建てだから大丈夫というものです。
マンションと一戸建てではその重量が違います。
極論ですが、地盤調査で地盤改良が必要という結果が出たとしても、なにもしなくいでそのまま家を建てても、ほとんどの場合普通に生活できるのではないかと思っています。
たぶん影響が出るのはほんの一握りの家だけだと思う。
しかも、杭などで支持層にきちんと達して、その上に家を建てたとする。
地震などで土地が液状化した場合、周りの土地が下がり、家だけがそのまま下がらないという現象が起きてしまうのだが、その点については考えられているのだろうか?
埋立地などでない限り実際は地盤改良なんて入らないのでは?と思っています。
まあ、建築基準法にのっとってやるしかないのですけどね。

心配してもどうにもならない

最後は割り切るしかありません。
地盤改良が大丈夫なのかなどということは、結局、分かりません。
分からないことを心配しても仕方がない。
専門家に任せるだけです。
今回のような施工不良は実際には他にもあるのではないかと考えています。
ただ、問題が顕在化することはほとんどないのでしょう。
それ以上に一戸建てにおいては、地盤自体のことよりも今回のニュースの影響により心配なことがあります。

地盤改良費に懸念あり

マンションの傾斜問題によって地盤改良が非常に注目されました。
ただ、このことによって一戸建てに対する地盤改良が過剰にされるのではないかという懸念を持っています。
これから家を建てる人には非常に不安をあおるようなニュースでしたので、当然地盤改良が必要といわれてしまうと、そういうものかと思うしかありません。
そして、本当は必要ない地盤改良も、安心のためにといわれるとやらざるをえないです。
これがマンションや建売ならば売値に反映することになるので、必要最低限の改良となるのですが、一戸建ては違います。
たいていの場合、すでに契約が終わった段階で地盤改良費が追加されることになります。
そのタイミングでは、少々高いからといって、新築計画を中止にするのは難しい段階です。
業者にとっては、地盤の保証が必要ですので、過剰な地盤改良を勧めたほうがいい。
その費用は施主が支払いますので、業者にとってデメリットはほとんどないのです。
これから地盤調査と地盤改良には少々注意が必要かもしれません。

地盤のセカンドオピニオンについて

地盤調査の結果が心配になって、他の業者にセカンドオピニオンをお願いする。
私は、このセカンドオピニオンというものをあまりおすすめしません。
まず、第三者だから安心だという考え方もありますが、どうしたって費用が必要となります。
工事費が安くなったりしても、その分そちらに費用がかかればなんの意味もなくなってしまいます。
また、セカンドオピニオンをお願いした業者などは、どうしても何かをしなければなりません。
例えば、セカンドオピニオンをお願いして、見てもらったが、何も問題がなかった場合、その業者はどうするでしょうか?
このままでは存在価値がまったくないのと同じです。
そうなると、まあ言い方は悪いですが、あらさがしのようになってしまいます。
施工業者はきちんとやっているのに、セカンドオピニオンの業者がたいしたことではないのに、問題として上げる。
とても厄介な構造です。
しかも、それは施主にとっては仕事をしているように見えてしまうから問題です。
セカンドオピニオンをお願いするよりは、きちんとした業者にお願いすることに注力したほうがいいと思います。
ただ、地盤の場合は、施主ができることはほとんどありませんので、ハウスメーカーや工務店を信用して、ある程度お任せで問題ないと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました