一条工務店のi-smartなどは、家中ほとんどすべての床に床暖房を付けることができます。
床暖房といっても、方式はいくつかありますが、基本的に初期コストの高いものはランニングコストが安く、トータルで考えると、どの方式もそれほど差がないように感じます。
差がないならば、おすすめの床暖房の方式としては、ヒートポンプによる温水式。
ランニングコストが安いのはもちろんですが、床面の不具合や故障が少ないことが大きなメリットです。
電気ヒーター式などはヒーター自体の交換が必要になってしまうことがあるのですが、温水式では床面をパイプが通っているだけですので、きちんとメンテナンスしていれば、基本的に床面でのトラブルは少ないです。
どの方式の床暖房にしても、導入が高額なこともあり、なんとなく躊躇してしまいますが、費用のことを考えなければそのメリットは大きい。
多少、お金を掛けてでも冬の快適さを追求したい。
そういった方には、やはり床暖房はおすすめの設備といえるかもしれません。
床暖房の長所を何点かあげてみます。
床暖房のメリット
快適さはエアコンの比ではない
冷たさは、体の末端から感じます。
その中でもやはり足元。
冬場はすごく冷たいですよね。
最近の家は床はフローリング。
これがまた冬場は冷たいのです。
昔の日本の家は畳でした。
畳はそれ自体が断熱材と同じような役割もになっており、さらにその素材自体がそこまで冷たさを感じませんでした。
対して、フローリングは木ではあるのですが、表面に特殊なシートが貼られているものがほとんど。
この表面部分がすごく冷たいく感じるのです。
無垢のフローリングは木なのでそれほど冷たく感じません。
同じ木でもここまで違うかと思うほどです。
いずれにせよもっとも冷たくて寒いと感じる足元から暖める床暖房は非常に快適です。
これはエアコンやストーブなどの暖房器具と比較にはなりません。
暖かい空気はどうしても上へ逃げていきますので、足元を暖めるのは難しい。
対して、床暖房は足元の床自体を暖めています。
人間を暖めるために、家自体を暖めるので、効率がいいとは言えないかもしれませんが、快適さは暖房設備の中で一番かもしれません。
足元からほんわかと暖かい感じは床暖房でなければないものでしょう。
室内は無音
ストーブはもちろんですが、エアコンも結構うるさいです。
風の音って意外とうるさい。
特に帰宅後、電源を入れて強めに運転しているようなときは、場所によってはかなりの音。
テレビの音量を上げないと聞こえにくいこともあります。
対して床暖房。
室内はほぼ無音。
外にある室外機などはある程度の音がありますが、室内は快適そのものです。
室外機の位置にさえ気を付ければ無音で快適な温度を得ることができます。
風の流れもない
音はもちろんですが、風の流れもありません。
こちらもまたエアコンなどを風量 強で運転しているとき、風ってかなり気になります。
最新のエアコンには風を直接当てないような機能が備わっているものもありますが、実際に使ってみたところ、たしかに人がいる場所を避けるような向きに風が出るようになっているのですが、風がなくなったわけではありません。
やはり風はありますし、壁にあたった風を感じることもあります。
意外なところもあたたかい
こちらは全館床暖房の場合に限るため、一条工務店の宣伝のようになってしまいますが、廊下やトイレまで暖かいのはすごい。
部屋が暖かいだけなら正直エアコンで十分です。
でも、廊下やトイレまで暖めて快適にするのはなかなか難しい。
全館空調を導入すればそれも可能なのですが、やはり空調設備なので足元は冷えます。
ほぼすべてのスペースで足元から暖かいというのは、冬の室内での生活を変えてしまった、というと少々大げさに感じるかもしれませんが、それくらい快適だと感じます。
他にもあると思いますが、メリットとしてはこんなところでしょうか?
次は、デメリット。
床暖房のデメリット
費用がかかりすぎる
床暖房という名前の通り、結局暖房にしかつかえません。
ということは、夏のために結局エアコンは必須なわけです。
床暖房を入れるのは、12月から3月の間の4ヶ月程度。
4ヶ月のためにすごい金額をかけているわけです。
さらに言えば、12月の前半と3月の後半は、エアコンだけでも、そこまで不自由ない生活ができるように感じますので、実際に大活躍するのは、3ヶ月くらいかも。
考え方次第なのですが、少々コストパフォーマンスが悪い気がします。
意外にも乾燥する
床暖房はエアコンやストーブのように熱風を出すわけではないので、空気が乾燥しないと思いがちですが、実際はかなり乾燥します。
まあ、ストーブについては、燃焼するということは、水が発生しますので、加湿しているのと同じだからわかるのですが、エアコンと変わらないくらい乾燥するのはなぜでしょうか?
詳しいメカニズムは良くわかりませんが、その快適さを考えたとき、おそらくエアコンよりも部屋が暖かくなるため、湿度が下がり乾燥するのだと思います。
また、エアコンのように一部を暖めるのではなく、家自体を暖めて家中の温度が上昇し、同時に湿度が低下することが原因かもしれません。
メンテナンスが必要になる
これは上に書いた費用がかかりすぎるということにさらに上乗せとなることですが、設備というものはいつかは故障します。
これは避けられません。
メンテナンスや故障には当然費用がかかります。
温水式の場合、基本的に床面のパイプはそう簡単には悪くなることはないと思いますが、ヒートポンプにしても、ガスにしても加熱装置は壊れます。
それが10年後なのか15年後なのかはわかりませんが、いつか壊れます。
ガスを使ったものでは燃焼部とコントローラ。
電気のものでは、コントローラなど。
このあたりはどうしても故障してしまいます。
本当は10年ももてば十分なのですが、家は、だいたい30年程度は特に問題なく住めますので、実際に故障してしまうと少し早い故障に感じるかもしれません。
メリット、デメリットをあげてみましたが、デメリットのほとんどは費用的なことです。
それを踏まえて床暖房を導入された方へのアドバイスを一つ。
光熱費が高いのはあきらめる
冬の快適さのために導入した床暖房。
でも、光熱費の請求額を見て、思わず設定を低く下げて使っていたり、寒くなり始めたころに最初の電源ONを躊躇してしまう、なんてこともよくあることだと思います。
床暖房だけで3万円も電気代がアップしたら、そりゃあ思わず節約したくもなりますよね。
でも、床暖房を導入した以上、一番もったいないのが、床暖房という初期費用がとにかく高額な設備を有効に活用しない、ことだと思います。
冬の間の何ヶ月かは、光熱費よりも快適に過ごせる事を重視して、電気代が何万円かアップしたとしても、気にしないで使用したほうがいいと思う。
光熱費の節約などはあきらめましょう。
家計を考えたとき、光熱費を節約しないなんて、我が家にはそんな金銭的な余裕はない、という場合には、床暖房の導入自体を再検討したほうがいいのではないでしょうか?
有効に使われない設備がある、というのは、初期費用の面でも、その設置したスペースの面でも、何ヶ月かの光熱費なんかよりも、はるかにもったいないことですから。
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