鉄骨の錆について考える

家作りの考え方

鉄骨の家。
木造よりも鉄骨のほうが強い。
でも、鉄骨の場合、錆が気になる。
サビないようにしっかりと塗装やメッキをしてほしい。
実際、大手メーカーのものは、かなりしっかりと塗装などの防錆処理がされている場合が多いです。
でも、一戸建て住宅の場合でも数メートルくらいの長さの鉄骨を組み立てることになります。
そのサイズの鉄骨を組むのに、まったく傷つけないでくみ上げることは非常に難しい。
もはや無理といってもいいくらいです。
防錆処理にも傷は必ずできてしまいます。
では、傷がついた場合はどうするか?
傷の部分に補修ペイントをする。
なんとなくですが、もっとしっかりと対応してほしいと感じるかもしれませんが、実際には、これで問題はありません。

塗装に傷がついた

たまたま上棟を見学していて、鉄骨同士がぶつかり傷がついたとします。
施主にとっては家を傷ものにされた!と思うかもしれませんが、家くらいの大きさをクレーンを使って組上げる場合は、仕方のないことです。
クレーンなどの重機を使用する時点で、いくら養生したり気を付けていても、傷はついてしまいます。
人間が持てる程度の大きさなら、本当に気を付けて組めば可能かもしれませんが、そのサイズでさえも、まず間違いなく傷はついてしまうでしょう。
これは手抜きをしているわけではありません。
不可抗力により傷がついてしまうのです。
おそらくどんなに熟練した職人さんでも起きると思います。

傷がついて塗装やメッキが剥がれたらそこから錆びるかもしれない。
施主としては心配になります。
たしかに可能性は0ではない。
でも、可能性で言うなら、塗装やメッキが経年劣化で剥がれてしまい錆びる可能性も0ではありません。
このような小さな可能性について気にする必要はほとんどありません。
極端な例ですが、雷に打たれることを心配しても仕方ない、ということと同じです。
もし、錆がどうしても許せないのならば、木造にするしか方法はありません。
木造にしたって金物は使用しますので本当はどうにもなりませんが、金物はメッキされているものが多いし、大きな鉄骨よりはぶつけてメッキが剥げることも少ないです。
これなら錆びる確率が低いと思います。
ただ、どれだけ塗装やメッキをしていても、錆が出ることはあります。
もらい錆びと言われる現象だったり、ガスや薬品に防錆処理が侵されるなどの事だって絶対にないとは言い切れません。
でも、常に雨ざらしになっているような環境でない限り、腐蝕によって鉄骨や金物が朽ち果てて、家が崩壊するようなことはほぼありません。
鉄骨は外壁などに覆われて、住み始めても基本的に目につかないもの。
目につかないということは、紫外線などによる劣化はほとんど起きないということです。

鉄骨は壁の中

鉄骨は基本、人目につくことはありません。
目に見えないところもきちんと施工してほしい。
でも、そのきちんと、というのはきれいに仕上げることとは異なります。
目に見えないところの見た目を気にする。
・・・文章にしてもおかしなことになっていますよね。
見えないところは強度や機能を満たせば十分です。
補修ペイントは見た目には悪いかもしれません。
鉄骨の傷も同様です。
でも、壁の中になり、基本的には見られることのない部分の見た目を求めてはいけません。
ただ、強度や機能を満たすことには、後々のメンテナンス性も含まれますので、ある程度の仕上げの綺麗さも必要とはなります。
それもあくまで、ある程度。
室内のような仕上げを見えないところにも求めることは誤りだと思います。

無駄な心配はしない

上棟して、鉄骨に傷が付いていた。
きちんと補修をお願いすれば大丈夫。
気になるようだったら、ハウスメーカーに許可をもらって、現場監督と一緒に点検をしてもいいかもしれません。
いっしょにくまなく傷を探して補修をお願いしましょう。
もしかしたら、傷を見逃してしまったかもしれない?
そんなことは心配無用です。
見逃してしまう程度の傷が後々大きな問題になることはまずありません。
鉄骨の錆に神経質になりすぎる必要はないでしょう。

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