家は図面通りにはできません

家作りの考え方

住宅展示場でハウスメーカーを選ぶ。
いくつかのメーカーで競合させて、メーカー決定。
その後は打合せ。
間取、設備、外壁、壁紙、床などなどいろいろ決める。
そして、着工の前に最終確認。
問題なし。
これで後はメーカーやそれぞれの業者さん、職人さんが家を建ててくれる。
家が完成するのを待つだけ。

家は簡単には完成しない

最終確認後は、たしかに施主は特にやることはありません。
その通りなのですが、それだけで希望通りの家ができるわけではありません。
家が図面通りに何事もなくそのままできると思ったら、それは間違いです。
機械で作るような部品などなら図面のまま、そのものずばりができあがる場合もありますが、家のように大きなものは図面はあくまでイメージという状態です。
そもそも細かい施工図や実際の納まりの図などはありません。
もしあったとしても、まったく図面通りにできる場合のほうが少ないかもしれない。
大工さんや職人さんがその場その場で考えながら作っているのですから。

今では工場で作られて、ほとんど出来上がって組付けるだけというような場合も増えましたが、昔はまさに大工さんの腕次第というような状況でした。
その時代ではハウスメーカーといっても、実際は大工さん頼り。
構造部のみがメーカーの力といった具合です。
後は、意匠部分の提案力くらいでしょうか?

対応には差があって当然

実際の納まりが図面と違う。
施主はこのことを不満に思っているとする。
ハウスメーカーや工務店などのプロから見ると、本来は再施工までは不要であり、ちょっとした補修で十分な場合でも、施主が強硬にごねだしたらハウスメーカーの場合、不満が残るよりは、とかなり面倒でも再施工に応じてくれる場合もあります。
各会社にもよりますが、そういった対応までをも含めた価格設定になっているハウスメーカーもあります。
でも、工務店ではハウスメーカーのように対応するのはまず無理。
補修で精一杯。
本来はそれで十分なことなので問題はない普通の対応なのですが、ハウスメーカーと比べてしまうと対応に不満が出るかもしれない。
この辺りは、実際問題は難しい話です。
もともと利幅の大きいハウスメーカーと小さい工務店。
対応に差があって当然なのですが、施主としてはわからないため不満になりやすいのかもしれません。

チェックは大切だけど

図面通りに作ることは簡単ではない。
家を建てるときこの事実を知っていることは、重要かもしれません。
かといって心配だからと建築中に毎日現場へ見に行くことはあまり感心しません。
作業の邪魔というのもありますし、建築中はあくまでメーカーや工務店の管理。
それを施主だからと勝手に見に行ったりしては大きな問題です。
しかも、施主が来れば職人さんは気をつかいます。
施工にだけ気を付けるべきなのに、施主がくることにより接客という気遣いまでさせることになりますから。
こういったことも今の時代、大切なことかもしれませんが、これはいい家をつくるという意味においては無駄なことです。
見に行くとしても、週に1、2回。
出来れば工事が休みの日を選び、確認のため見せてもらうくらいがちょうどいいのではないでしょうか?
心配なのはわかりますが、過剰な見学や確認は作業の邪魔になりますので注意してください。

間違いに気づいたら

たまたま見学していて、図面との違いに気が付いた。
こんな時は、すぐに現場監督に連絡してください。
間違いを修正するのは早いほうがいい。
石膏ボードに間違えて穴をあけたなら埋めるだけですが、壁紙が貼ってあったら、それもやり直しになる。
工程が進めば進むほど修正には手間がかかるようになりますから。

手抜きやミスではなく図面と異なる場合も時にはあります。
図面通りにつくることも可能だけど将来的には不具合のもとになるので避けたほうがいい。
このように職人さんが考えて、変更してしまっていることもあります。
こういったことはどちらかというとベテランの職人さんで多いかもしれません。
でも、その変更はもしかしたら施主の希望とは異なるかもしれない。
こういうこともありますので、間違いを見つけても、冷静に対応しましょう。

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