照明のスイッチの場所を考える。
かなりしっかり考えて、完璧だと思っていても、家が完成して住み始めると失敗に気が付きます。
実際に、失敗した、と感じているスイッチを検討するときに注意すべきところを何点かあげます。
廊下の照明について
廊下のスイッチの位置については、非常に失敗しやすいところです。
理由は、廊下には、寝室、こども部屋などいろいろな部屋の扉が何個も並んでいるような場合、人の出入りが複雑になってしまうため。
普通の部屋、たとえば寝室などは出入口が一つだけ。
基本的に唯一の出入口にスイッチを付ければいい。
でも、廊下を見るとほとんどの場合、寝室や子供部屋など扉がいくつも並んでいると思います。
動線から考えると、各扉の場所にそれぞれ廊下の照明スイッチを付けたほうが便利ではありますが、大量にスイッチを付けることになってしまうため、それもちょっと変・・・。
結局、たいていの場合、廊下の端と端にそれぞれスイッチをつけるような形にするしかありません。
でも、そうなると真ん中あたりの部屋にいた人は、一旦暗い廊下に出ることになってしまいます。
このときは、その真ん中の部屋の出入口にスイッチを設ければいいのですが、もう一部屋あった場合はどうでしょうか?
スイッチは基本的に三つまで。
これ以上増やすことは難しいのです。
廊下をセンサースイッチにすれば問題は解決するのですが、最近では廊下に棚を作るなど収納を配置することも多く、意外と廊下に長くいるというシチュエーションもある。
そんな時にはセンサースイッチが問題となります。
センサーで一度は電気が点きますが、そのまま棚や収納の前であまり動かないでいたりすると、照明が消えてしまうのです。
本棚などがあった場合、そこで本を探していたりすると急に照明が消えてしまう。
動けばまたつくので、消えたら手をあげたりしてセンサーにいることを気が付いてもらうしかない。
これが結構ストレスだったりします。
これの対策としては、少々コストはかかりますが、スイッチで点灯する照明を別に用意しておくというのもありです。
普段はセンサースイッチに連動した照明を廊下のあかりとする。
別に棚や収納専用の照明とスイッチを設けておけば、センサースイッチが勝手にOFFして真っ暗になるのを防ぐことができます。
ただ、センサーがあるのに棚や収納用の照明はつきません。
最初はセンサーの照明で十分明るいため、結局、棚用の照明をその都度つけること自体を忘れたりすることも多いため、棚のものを探している間に真っ暗になってしまったりすることも。。。
個別に収納用の照明を付けたとしても思ったよりは有効に使えませんでした。
いずれにせよ、スイッチの工夫だけでは難しいため、照明自体を増やすなどの工夫が必要になります。
出入口にはスイッチを
出入口には基本的にその部屋の照明のスイッチを配置してください。
ほとんど出入りしないところでも付けるようにする。
特に回遊型の間取の場合、キッチンの照明スイッチを片側だけにつけておくと、結局動線が限定されてしまい、照明を消すためにその回遊できる自由度がなくなってしまうなど、もったいない動線になってしまいます。
間取りを考えているときには、こんな動線では動かないだろう、と思っていても生活してみると不思議なもので、想像しないような動線が便利だったりします。
動けるところには人間は動くらしい。
出入口にはスイッチが必須です。
玄関は絶対にセンサーがおすすめ
玄関を入ったらすぐに照明が付く。
これは本当に楽。
暗い中、スイッチを探すため手探りする必要もありませんし、両手に荷物を抱えて帰ってきたときも、勝手についてくれるため非常に助かります。
ただ、注意すべき点が一つあって、スイッチの位置には注意してください。
天井に取り付けるタイプなら何の問題もありませんが、普通のスイッチと同じで壁に取り付けるタイプでは、シューズボックスなどが出っ張っていたりしていて、その陰になってしまうとセンサーが検知してくれず、なかなか照明が点灯しない、ということになってしまいます。
また、玄関なので来客も多く、花を飾ったりということもあるかと思いますので、それらのインテリアもセンサーを隠してしまわないように初めから気を付けておくといいでしょう。
トイレのセンサースイッチは一長一短
トイレにセンサースイッチはどうでしょうか?
トイレに使うようなセンサー付照明があるくらいなので、センサースイッチもいいかもしれません。
トイレの電気の消し忘れはなくなります。
でも、消し忘れはなくなりますが、デメリットもある。
トイレは結構長くいる場合があります。
そんな時、途中で急に電気が消されてはたまりません。
まあ、手を動かしたりすればすぐにまた点きますが、それでも急に真っ暗になってしまうのはうれしいことではありません。
トイレのスイッチとして、センサースイッチは、あまりおすすめできません。
収納内に照明をつけるならスイッチは外に
クローゼットなどの収納の中にも照明があると意外なほど便利です。
収納の前側にあれば、結構下のほうまで照らしてくれます。
収納は中のものを探すことがありますが、部屋の照明だけでは暗くて探しにくいという場合もあります。
そんな時、収納用の照明があると想像以上に探しやすいのです。
そして、その照明のスイッチはクローゼットの外にあるほうがいいかも。
スイッチが外にあると折れ戸の横だと、スイッチが押しにくいというデメリットもあるのですが、中にあるほうがデメリットが多いと感じます。
中にある場合、収納なのにスイッチのために物が置きにくくなる。
そして、もう一点大きな問題として、消し忘れやすいということがあります。
ウォークインクローゼットにはたいてい照明があると思いますが、扉付にした場合、中の照明は結構消し忘れがちです。
それを防ぐ方法としてはスイッチが外にあるということが一番です。
よくある一般的なほたるスイッチは消灯のときは、スイッチのLEDが緑に点灯しています。
これを見ればクローゼット内の照明が点いているか、点いていないか、一目瞭然です。
でも、スイッチが中の場合、一度扉を閉めてしまえば、次開けるまでまったくわかりません。
夜ならば扉の隙間からの光で気がつくこともありますが、昼間のある程度明るい時間帯には、扉の隙間からの光の漏れでは気がつくのは難しいです。
スイッチが中のほうが部屋の見た目としてはスッキリしますが、照明をつけたまま出かけてしまって、帰ってきてから気が付いた、ということが何度も起きてしまっています。
スイッチを押す手
スイッチは部屋の入口、出口付近に配置します。
それは部屋以外、廊下などでも同じです。
でも、入口付近と言っても、場所によっては押しにくい位置というのがあります。
日本人は、多くの人が右利きです。
スイッチはまず利き手で押しますので、利き手である右手で押しやすいかどうか?を考えて配置しましょう。
右利きだから右側にあれば押しやすいかというと、そうでもありません。
部屋に入って右に壁があればいいのですが、右側に壁がない場合、手が逆になってしまい、押しにくい位置となってしまいます。
逆に左側にあったほうが押しやすい。
入るときに押しやすい位置は、たいてい出るときも押しやすい位置となります。
どのような動線でスイッチを押すか考えて配置してください。
スイッチを一ヶ所に集めすぎない
最近のスイッチは、スイッチ自体の中にその名称を入れることが出来ます。
だから複数のスイッチが一ヶ所にあってもどれがどの照明のスイッチなのか、わかるようになっています。
でも、押すときは、いちいちその名称を見ない場合がほとんど。
そうなると一ヶ所に4個も照明のスイッチが集まっていると、押し間違えてしまうことも。
スイッチを押してから、あ、間違えた、と消して、その下のスイッチを押すことはよくあります。
住んでいると徐々に慣れてきて、間違えなくなるのですが、それでも複数のスイッチがあるところでは、一瞬迷ってしまうことも多いです。
しかも、押し間違えたのが、あまり気がつきにくい照明の場合、それがそのままにになってしまいすっかり忘れてしまって、点灯したままになってしまう場合があります。
我が家の場合では、玄関の外構用のスイッチは常時ONにしておいて、外が暗くなると明るさセンサーによって自動で点灯するようになっているのですが、押し間違えてOFFとなってしまい、夜、門柱や車庫が真っ暗のまま、ということがよくあります。
スイッチが集中するのは仕方のない場所もありますが、できれば避けたほうがいいかもしれません。
一個のスイッチプレートに4個以上のスイッチは付けないほうがいいかも。
あえて、2個のスイッチプレートに分けてあったほうが、間違えて押すことを防ぎやすいです。
スイッチは見た目より押しやすさ優先がいいかも
一般的なホタルスイッチ。
当たり前ですが、これは非常に押しやすく、消し忘れにくい、と感じます。
昔の小さなスイッチとは違い、ある程度の大きさがあり、スイッチのLEDで点灯、消灯がわかるのは本当にありがたいです。
また、暗い中、スイッチを探すときも消灯時は緑に光っているため、わかりやすい。
見た目が普通すぎるという以外はデメリットはほぼありません。
照明のスイッチは毎日使用します。
こういったものはたいていの場合、利便性を優先すべきもの。
見た目も気になるかもしれませんが、やはり使い勝手優先でいいのではないかと思います。
ただ、使い勝手は覚悟のうえで、おしゃれなスイッチを採用するのもありです。
わかった上でなら後悔も少ないと思いますので、あえてトグルスイッチなども面白いかもしれません。
でも、コスト面や使い勝手を考えれば、普通のスイッチがベストですね。
コメント