家が密集した土地では、誰もが一度は考える2階リビング。
でも、実際に暮らしてみるとデメリットもあります。
2階リビングのメリット・デメリットを考えてみます。
メリット
日当たり・採光がとりやすい
メリットの代表的なものがこれ。
日当たりや採光の目的で2階リビングを検討した、という場合がほとんどだと思います。
日当たりについては、間違いなく1階をリビングにした場合よりもよくなります。
近所の視線が気にならない
これがはじめにあげた日当たりなどに次ぐ大きなメリットです。
確かに、道路に面していて、その道路がかなり近い場合、外からは塀などで視線が遮ってあったとしても、声や音などが近く、かなり人通りは気になります。
もし前の道の人通りが多かったとしても、二階リビングならば、音などの影響も低減することができます。
また、間取りによっては、玄関ホールとつながるリビングの扉が開いているときに玄関を開けると、外からリビングまで丸見え、という状況になる場合があります。
でも、2階リビングならばこういったことを自然と防ぐことができます。
開放的な空間が得られる
これは視線が気にならないからできることですが、2階なので、カーテンを開けたままで生活しても、あまり人の視線にさらされることはありません。
そのためカーテンを開けたまま生活することもできます。
あくまで比較的なので、どうしても見えることもありますが。
そして、それにプラスして、ベランダとの一体感が得られる為でもあります。
ベランダは当然2階にあります。
カーテンがなければ、リビングとベランダは、つながった空間のように感じられる。
そのため大きな空間となり、開放的な空間となります。
ただ、実際には、2階リビングを採用する方は、日当たりが悪いなどの住宅が密集した場所に家を建てる方が多いので、そのような場所では、1階ほどではないにしても、視線がまったくないわけではなく、カーテンを開けて生活も難しいかもしれません。
そして、昨今の異常な暑さなどを考えても、ベランダを有効に活用することはなかなか難しいのが実情です。
デメリット
動線が長くなる
間取りを考える上で動線はかなり重要なものですが、2階リビングを採用するとどうしても動線が長くなってしまいます。
毎日の生活で考えてみてください。
まず、朝起きる。
着替えて、朝食を食べる。
おそらくダイニングも2階だと思いますので、2階へ上がり、朝食を食べて、洗面台で身だしなみを整えて、1階へ下りて、会社や学校へ出かけます。
1階リビング、2階寝室という間取なら、2階へ上るという動作は不要。
余分な階段を上るという動作が増えてしまっています。
但し、忘れ物をした場合などは、1階に部屋があるためちょっとは楽かもしれません。
他にも、普段の何気ない生活上の動線に大きく影響します。
例えば、ごみ出し。
2階リビングだからといって、ダイニングとキッチンを1階にすることはまずありません。
そうなるとごみ出しのときは、いちいち階段を上り下りしなければなりません。
来客時も同様です。
インターホンが鳴り、カメラ付きのインターホンなら2階で応答もできます。
でも、実際に宅配便などで荷物が届いたなら、1階に降りて受け取らなければなりません。
基本的な生活スペースが2階にありますので、外部とのやり取りが必要なときは、どうしても動線が長くなってしまいます。
屋外とのつながりとしてどうなのか?
ゾーニングを考えてみても同様におすすめできるものではありません。
ゾーニングを室内だけでなく、家の外とのつながりで考えればすぐにわかると思います。
外というのは、室内のパブリックゾーンよりもっとパブリックなところです。
つながりを考えたとき、屋外の近くにプライベートゾーンがあるということはあまりいい配置とは言えません。
屋外 - パブリックゾーン - プライベートゾーン。
このようなつながりになるほうが生活するうえで自然だと思います。
防犯面
泥棒などは、どこかに2階へ登れる場所でもない限り、普通1階から侵入します。
2階リビングの場合、生活スペースは2階にあるため、リビングで過ごしているときに侵入に気がつかない恐れがあります。
そして、それ以上に心配なのが、夜寝ている時。
2階に生活スペースがあるということは、寝室や子供部屋は1階。
夜中にも人がいるため、防犯上メリットと考えがちですが違います。
逆にデメリットのほうが大きいです。
普通の1階リビングなら、2階で寝ている間に泥棒に入られたが気がつかなかった。
1階のリビングが荒らされてしまった、これでおしまい。
確かに、泥棒に入られて、1階には誰もいないため気がつくことができず1階のリビングは荒らされてしまいますが、ここでおしまいのことが多いです。
2階には誰かが寝ているかもしれないのに、知らない家の階段を登っていくというのは、泥棒にとってもリスクが高いからです。
しかし、これが1階で寝ていて、泥棒に入られると、下手をすると泥棒と遭遇することになってしまいます。
しかも、就寝中という完全に無防備な状態で泥棒と遭遇することになってしまいます。
これが一番怖くて、危険です。
特に小さな子どもがいるご家庭の場合、非常に気になる点だと思います。
防犯面については、2階リビングはデメリットと考えていいと思います。
寝るときのまわりの音
2階リビングでは、寝室は1階にある場合がほとんどです。
ということは、起きているときは2階、寝るときは1階となる。
静かなほうがありがたい眠るときに、外の音が聞こえやすい1階に行くことになってしまいます。
たいていの2階建ての家では、寝るときは2階に行くため、隣家の音が遠ざかるため、来客などがあり隣家が多少にぎやかなときでも、あまり気にならないのですが、音が大きくなるほうに移動することになるため、気になる場合も出てきます。
また、夜でもそこそこ車が通る道沿いなどでは、車の音が気になることもあるかもしれません。
外の物音だけではなく、実際には、自分の家の音、家族の音も気になる場合が出てきます。
先に寝室や自室に寝に行くとします。
リビングで家族はまだ起きている。
それほど暴れるようなことはありませんが、家事などで歩き回ればやはり音は下に伝わります。
歩く音くらいなら、気にならなくても、物を落とす音などは、結構な音が下の階に伝わります。
普通に2階で寝る場合では気にならない音も、気になるようになるのです。
音については、線路沿いであっても、ある程度住んでいればなれてしまい、電車の音でさえたいして気にならないものになる場合もあるため、非常に個人差がありますが、デメリットの一つです。
費用がかかる
それほど大幅なアップにはならないかもしれませんが、2階に給排水が増えたり、重量物を2階に設置することになる為、1階リビングよりも費用がかかります。
また、家の建築費だけでなく、大型家電、冷蔵庫などを購入した時でも、設置は2階となるため、追加費用がかかったりします。
2階リビングを採用するべきか
2階リビングのメリット、デメリットは他にもありますが、主なものはこんなところです。
総合して考えると、デメリットのほうが大きいと感じます。
特に気になるのは、動線、防犯面でしょうか。
これは毎日のことになるので、気になりだしたらかなりのストレスとなります。
この点をストレスに感じるようになるか、毎日のことでこの点については慣れてしまって、2階リビングの快適さのメリットの方が上回るかは、立地やそれぞれの個人の感じ方になります。
2階リビングは、デメリットもありますが、確実にメリットもありますので、メリット、デメリットを踏まえ、しっかりと検討してから採用して下さい。
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