木造軸組み、それとも、2x4

家作りの考え方

木造にもいろいろ

木造と一言でいっても、いろいろな工法があります。
その中でもっとも代表的なものが、軸組みと2×4。
この二つ、木造といってもかなり違います。
軸組みは、いわゆる昔ながらの家の作り方です。
3.5寸や4寸の柱を立てて骨組みを造り、その柱間に筋交いを組んで強度を出します。
それに対して、2×4は、枠組壁工法というもので、壁を作ります。
2インチ×4インチの構造材の柱を構造用合板で打ち付けて壁を作る。
すべての壁がこのようにできているため、強度が軸組みよりも強いことが多いです。
ちなみに3.5寸は、105mm角の柱。
2インチ×4インチは、38mm×89mmです。
この数字だけ見ると2×4が非常に弱く見えますが、
合板の補強がすべての外壁に入りますので弱いわけではありません。
むしろ単純に強度を比較するとたいてい2×4のほうが強度は上です。

特徴は?

木造軸組みの特徴は、というと、特にありません。
これは、一番ポピュラーなため、日本では木造軸組みが基準となっているためです。
対して、2×4は、強度が軸組みより高い。
さらに、今はやりの高気密高断熱を実現しやすいという特徴があります。
ただ、よく言われるのは、欧米ではほとんどこの2×4(壁工法)で家が作られていますが、日本のように高温多湿な気候に合うのか?ということ。
まあ、この点も2×4が日本に入ってきてすでにかなりの年月が経っていますので、杞憂ではないかと思います。
さらに、強度が軸組みより高いとはじめにいいましたが、最近は軸組みにダイライトなどの耐力面材を貼り付けるような工法も出てきたため、
一概に2×4が強いとも言えないかもしれません。

構造の違いは考え方の違い

昔の日本家屋を考えてみてください。
ふすまや障子はあるけど、とにかく壁が少ない印象。これは湿度が高く、風通しを考慮して蒸し暑い夏の過ごしやすさを重視した結果でしょう。
最近になって引き戸がかなりクローズアップされています。
家の中すべてを開き戸ではなく引き戸にしている家も見かけます。
そもそも昔の日本には開き戸はほとんどありません。
すべて引き戸。
ストッパなどが無くても開けた状態から勝手にしまってしまうことはありません。
風が強くても当然閉まることはない。

対して、2x4は壁があることを基準にしています。
とにかく密閉することを重視している。
これは日本のように湿度が高くないことが前提となっています。
そのため夏のあつさより冬の寒さ対策を重視している。
当然、扉も開き戸。
そのほうが密閉度が高くしやすいためです。
構造の違いは気候の違い、過ごし方、考え方の違いでもあるのです。
ただし、現在のように非常に優れた冷暖房システムがある場合は、工法によってそれほど左右されません。

軸組・2x4どちらがいいのか?

個人的には軸組みが好みです。
2×4は、軸組みと比較して、窓が小さくなる傾向があります。
開放的な家を望む場合は、おすすめできない工法だといえます。
そして、壁で強度を出すために、1階と2階の壁の位置を合わせる必要があったり、間取りを検討するうえでも軸組みに比べると制約が多くなります。
ただ、メリットも確実に存在しています。
まず、2×4は、壁を工場で造り、現地にて組み付けるため、工場作業が増え、品質が比較的安定すると言われています。
現場で職人の腕の差が出にくい。
ただ、最近は軸組みでもプレカットを工場で行い、現地では金物で組み立てるだけですので、今ではその点の優位性はほとんどないかも。
やはり2×4には、メリットがないように感じますが、圧倒的に大きなメリットとして、価格が安いということが言えると思います。
これは、鉄骨より安い木材の製品を工場で作るためです。
しかも、職人の腕の差が出にくいということは、腕のいい職人を雇う必要があまりないため安く作れるというものあります。
これは大きなメリットです。
個人的には、和風な建物が好きというのもあり、軸組みが好きですが、コストパフォーマンスを考えると、2×4にかなり分があるのではと思っています。

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