リビング どれくらいの広さが必要?

家作りの考え方

広いリビング。

誰もが憧れます。

芸能人のお宅訪問などを見ると20畳のリビングなんてのも出てきたりすることもあります。

でも、 LDK合わせての20畳ならともかく、リビングだけの20畳なんて、普通の家庭では、そんな広さはとうてい無理。

では、広いリビングといっても、実際に広いと感じられる広さはどれくらいからなのでしょうか?

そして、実際にリビングはどれくらいの広さがあれば、少なくとも狭いとは感じないのでしょうか?

夫婦2人、子ども2人の4人家族を想定して考えてみます。

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多いのは何畳くらい?

最近はLDKが一体となっている場合が多いため、リビング単体での正確な広さはわかりませんが、LDKで20畳くらいがよく見る間取りとなります。

これをリビング単体として考えるなら10畳前後がほとんどだと思います。

この10畳のうち、8畳分くらいでテレビ、テーブル、ソファが置かれており、残りが通路のような状態となっているパターンが多いです。

ちなみに、都市部の場合は土地の広さの関係からLDKがもう少し狭い場合も多いかと思いますが、ある程度の郊外の家については、これくらいが一般的ではないでしょうか?

LDKがこれより小さい場合でも、他の部屋と隣接していて、間仕切りをあければLDK+1部屋が一体となる、というような間取も多いです。

そのような間取りでは、LDKにその+1部屋の部分も合わせると、20畳程度ではないでしょうか?

実際、子どもが小さなうちはリビングに全員集まることも多いかもしれませんが、ある程度子どもが大きくなると、なかなか全員はそろいません。

こどもが小学校低学年くらいまでは、通路となっている2畳程度の通路部分などにおもちゃを広げたりして遊んでいることも多いと思います。

そのあたりも考慮すると、リビングが10畳もあれば、狭いと感じることはほとんどないと思います。

では、リビングが8畳ではどうでしょうか?

この場合も使い方次第で十分満足できると思います。

実際にテレビ、テーブル、ソファを置いているスペースは8畳くらいなので、リビングとしての機能は8畳程度あれば十分満足できるわけです。

では、10畳との違いはというと、残り2畳分のスペース、10畳で想定した通路となってしまう部分ができるだけ小さくなるように考えればいいのです。

リビング内の動線となる部分をできるだけ減らすように考えます。

そうすることによって、8畳を無駄なく使用することができる。

後は部屋の印象によって受ける圧迫感を減らすことが重要です。

吹き抜けをつくったり、大きな掃き出し窓を付ける、家具の高さを低く抑える、など工夫によって狭く感じさせないようにします。

そういった工夫をこらすことによって、8畳でも狭いと感じることはないでしょう。

さらに、もう少し狭く、6畳ではどうでしょうか?

これはさすがに狭く感じてしまうと思います。

でも、感じるだけで実際には上手に家具を配置したり効率よく空間を利用することができさえすれば、6畳でもそこまで不便ではありません。

ただ、壁が多いと圧迫感は感じますので、できるだけ解放感を出すようにダイニングやキッチンとのつながりを考えるといいでしょう。

また、リビングに必ずと言っていいほどあるもの、テレビの大きさも考える必要があります。

6畳の部屋に大きなテレビを置いてしまうと、部屋の小ささを強調してしまいます。

リビングにあるもののなかで、ソファとテレビは比較的大きな存在感を出してしまいます。

この二つが部屋の中で主張しだすと、部屋の狭さが強調されて、窮屈に感じてしまうと思います。

ちなみに、ソファを置かない場合では、6畳でもたいして狭さを感じないかもしれません。

リビングだけで10畳を超えるような場合は、狭いかな?などと考える必要はありません。

十分な広さのリビングとなります。

十分に広いリビングの場合、逆にリビングにある家具やソファーなどの物の大きさとスペースのバランスを考える必要が出てきます。

大きなスペースはあるのに、家具が小さいと部屋の余白が多すぎて見た目のバランスが悪く、殺風景になってしまいます。

ある程度までのスペースは、ゆとりがあっていい感じに見えるのですが、それ以上の過剰なスペースがあると不自然になってしまう場合が多いのです。

不自然にならないためには、広めのリビングならテレビやソファも大きめのものを選択すべきです。

広いリビングには、大きなテレビでないと逆に不自然なのです。

普段、テレビはそんなに見ないから大きなテレビは必要ない、かといってないと寂しいし、たまには見るから、無しという訳にもいかない。

このように考えて、新築に引っ越す際、テレビは新調せず、今まで使っていた小さめのテレビを持っていくと、全体のバランスがくずれてしまい部屋を見たときに何か変だな、と違和感を感じることになります。

ただ、おそらく私を含めてほとんどの方は、リビングが広すぎて困る、なんてことは一生考えることのないような贅沢な悩みですね。

LDKを広く取れない場合

予算の都合や土地の広さの関係上、そんなに大きなLDKは難しいという場合もあると思います。

それでもリビングは広くしたい。

そんな時はダイニングソファを検討してみるのも一つの方法です。

実際、来客が頻繁にあるようなご家庭は別として、普通のご家庭の場合、お客様が見えることはそれほど多くないと思います。

家を家族だけで使うと想定した場合、ダイニングとリビングを分ける必要性は、あまりないかもしれません。

あると便利、無くても何とかなる、というのがダイニングです。

ダイニングソファを採用して、リビングとダイニングの兼用とする。

もしくは、こたつのようにローテーブルにして、兼用とするかですね。

これで一気にスペースにゆとりができたはずです。

最近はダイニングソファもかなり種類が豊富となり、カフェのような雰囲気にすることができるなど好評のようです。

考えてみると、ダイニングとリビングが一体のほうが都合がいい場合も多いのです。

夕食時にお酒を飲みながら、ちょこちょことつまんでのんびりと過ごす。

友人が来た時も同じです。

このような時はダイニングにずっといるということもあります。

リビングがあると、なんとなく移動することになるのですが、ツマミとグラスとみんなで大移動。

なんだか面倒なのです。

それならダイニングソファでずっと過ごすほうがのんびりとできます。

片付けも一ケ所となり楽ですしね。

ちょっと狭いLDKのメリット

LDKが狭いということはデメリットばかりとも言い切れません。

メリットも存在しています。

まずは、エアコンがよく効く。

LDKが広いということは空間が広いということ。

広い空間では、とにかくエアコンの効きが悪くなります。

スペースに合わせて大きな容量のエアコンを付けますが、どう工夫したところで効きは悪くなってしまう。

最近のエアコンがいくら性能が良くなったとはいっても、広い部屋の隅などは、なかなか冷気や暖気が回ってこなくて効かない場合が多いです。

ちょっと狭いLDKは、空調という意味ではすごく快適なのです。

もう一つの大きなメリットは、狭さが快適なときもあるということ。

たとえば、一人暮らしをしたほとんどの方は、6畳や8畳のワンルームの部屋に住んだことがあると思います。

その時、部屋が狭くて不便で仕方ない、なんて思ったことがあるでしょうか?

多少狭いと感じても、すべてのものが手近にあってむしろ便利に生活していませんでしたか?

狭いと感じること、と、狭くて不便と感じること、この感じ方の違いは結構大きいです。

多くの場合、なんとなく狭い、と感じるくらいの広さは、生活してみると特に問題はなく、むしろ、コンパクトで機能的ともいえる広さなのです。

それぞれの家族にとって必要な広さは違うので、一概にこれくらいは狭くない、とも言えませんが、LDKを無理やり広くする必要はありません。

実際に使える広さが重要

結局、リビングの広さはどれくらいがいいのでしょうか?

これは本当に難しい。

ソファやテレビなどを配置してみると、実際にはリビングだけで8畳もあれば十分快適に過ごすことができます。

でも、この8畳は通路となる部分などを含んでいません。

もし通路となる部分がテレビの前だったりすると、テレビを見ている最中に人が前を通ることになってしまいます。

スポーツを見ていて、いい場面で前を人が通る、なかなかのストレスです。

通路はやはり必要だと考えてソファの後ろ側に通路のようなスペースを取り、そこもリビングに含めるとすると、もっと大きなリビングが必要ということになってしまう。

ただ、その通路をダイニング側に含めれば、リビング単体としては8畳で十分とも考えられます。

これは、ダイニングの椅子のスペースを通路にするという考え方です。

座っていないときは、椅子がテーブルの下に入るので、そこを通路にします。

ただ、食事中には、通路がなくなってしまう、というデメリットもあります。

また、今の間取りは、ほとんどの場合、LDKがつながっていると思います。

この場合、リビング、ダイニング、キッチンの動線部分がどうなっているのかをきちんと考える必要があります。

いざ、部屋の配置を考えてみると、ソファやダイニングセットを置くスペースは意外と小さいものです。

それよりも、動線として人が通る通路などのスペースが予想以上に大きく必要になる、と感じると思います。

快適に過ごす上でのスペースは実際のところそれほど必要ないわけですから、実際の広さよりも、いかに狭く感じさせないか、が重要となります。

通路とLDKのつながりなどを上手に利用して、狭く感じさせないように工夫すれば、広さは関係ないとも言えます。

リビングのものを減らす

リビングが狭く感じる。

そう感じる理由の一つとして、実際に狭いというよりは、リビングにものが多すぎる、ということも考えられます。

ものがあふれるように置かれていたら、実際には狭くないリビングでさえ狭く感じてしまいます。

リビングにはソファーを置いたりしますが、非常に大きいため、部屋を狭く感じさせる家具の最たるものです。

これを今流行りのヨギボーなどのビーズクッションなどに置き換える。

ヨギボーも非常に大きくて、ソファーと変わらないくらいの存在感なのですが、いざ広いスペースが必要となったときに、軽くて動かしやすいため簡単に移動することが出来ます。

軽くて、柔らかいため、隣の部屋に動かして、壁に立てかけておくだけでOK。

これは普通のソファーにはない大きなメリットです。

家具があるから部屋は狭く感じますし、実際にソファーは大きなスペースを占拠します。

隣の部屋に一時的に移動して広いスペースを得ることが出来るというのは、部屋の狭さを感じる機会をかなり減らすことになります。

このような工夫でリビングの物を減らせば思ったより、狭く感じないで過ごすことが出来ます。

でも、リビングは家族が過ごす共有スペースということもあって、家族全員のものが置かれてしまい、ものがどんどん増えていく場所でもあります。

収納をリビングの近くにつくったり、家族の共有クロークのようなものを作るなどして、リビング自体にものがあふれださないような工夫をすることが必要です。

狭く感じない大きさは?

キッチン、ダイニング、リビング。

LDKで20畳が一つの基準と書きましたが、実際の間取を見ると様々です。

LDKでは20畳と同じでも、リビングが広めのものもあれば、キッチンが広めのものもある。

本当にそれぞれなのですが、やはり20畳というのは広めだと感じる絶妙のサイズのようで、どの家を見ても20畳くらいあると狭いと感じることはほとんどありません。

LDKで20畳程度、リビングは8~10畳。

これくらいが一つの基準と考えてください。

これ以上に大きければ広いと感じますし、小さければもしかしたら少し狭いかな、と感じるかもしれません。

その場合は、狭く感じないように、リビングやダイニングなどにちょっとした工夫をするといいでしょう。

広さが同じでも、部屋のつながり、吹き抜けの有無、窓の大きさにより、印象は本当に変わります。

さらに、置く家具にも影響されます。

家具の大きさはもちろんですが、その色も重要。

濃い色の家具を置くと、どうしても存在感が大きくなり、部屋を狭く感じさせます。

部屋の壁紙の色や家具の色についても、部屋の広さに応じて考慮する必要があります。

ただ、あくまで部屋の印象から狭く感じる、と言うだけで、実際の暮らしにおいては、LDKで18畳もあれば十分、リビングが8畳以下でもほとんど問題ない大きさです。

あまり数字だけにとらわれずに考えたほうがいいでしょう。

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