和室について

家作りの考え方

和室って必要ですか?
なかなか難しい問題です。
いまどき必要ないといえばそのとおりでしょうし、
やはりあると便利というのも正しい。
まず、和室に何を求めるかでも和室の形態が変わってきます。
単純に和室といっても今だと3種類考えられます。

1.完全に独立した和室
2.たたみスペース
3.LDKと続きの和室

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完全に独立した和室

1 は、昔ながらの和室ですね。
ただ、昔は来客時にそちらにお通しして、というために客間が必ずありました。
結婚式やお葬式も家でやっていましたし、
本家の家などはお盆やお正月には親戚みんあが集まることもありました。
でも、最近はそれほど来客がないご家庭が多いと思います。
来客があっても友人がほとんどで客間までは必要ない。
そうなるとめったに使わない部屋となってしまうためもったいない。
でも、このあまり使わないというのが、来客用の部屋の肝でもあります。
あまり使わないからきれいな部屋のまま。
来客時に急いでリビングを片付けてということがなくなるわけです。
田舎の大きな家ではよくこのような間取りとなっていますが、
現在では、土地や予算の制約からなかなか難しいとは思います。

たたみスペース

2 は、そもそも和室とも呼べませんが、
独立した和室のような使わない部屋はもったいない。
でも、畳は好きという方がよく採用します。
リビングの一角にたたみのスペースを作る。
確かにこれなら無駄なスペースにはなりにくい。
でも、本当にリビングの一角がたたみになっているだけなので、
この形式ならフローリングのままで、置き畳でもいいような気もします。
ただ、段差が気になることもあるので、段差をどう考えるかです。

LDKと続きの和室

3 は、1と2の間の発想です。
完全に独立だと無駄になるし、たたみスペースよりはきちんと部屋にしたい。
こういう場合に、LDKと続きの和室として、大きく開く引き戸で区切れるようにする。
普段は開けっ放しで広々と使用して、
来客時には戸を閉じて使用するといった感じでしょうか。
これは便利でもあり、ちょっと中途半端とも言えます。
この大きく開く引き戸ですが、コストがかかる割りにめったに閉じません。
我が家なんて、客間にお通しする来客なんてずっとありません。
結局、たたみスペースと同じような使い方となるので、
生活してみると必要だったか微妙に感じることもあります。

どのパターンがいい?

和室のパターンとしては、この3つ。
1 は土地や予算からなかなか採用できませんが、客間としてはベストです。
そして、客間ということで作っておいて、
普段は書斎として使用するという方法もあります。
意外に1がおすすめです。
ただ、現実問題、1は田舎の大きな家などでしか、なかなか採用できないと思います。
そこで2か3になるのですが、
本当は3のがいろいろ使えていいのですが、
予算から2でも十分。
もし区切りたくなったら、ロールスクリーンなどを設置できるように天井を補強するなど、
区切る準備だけしておくのがコスト的にも一番いいかと思います。

そして、和室で一つよく使われるものが小上がりというもの。
部屋が小さな段差がつけられているものです。一段上がってたたみの部屋という感じ。
これは、よく考えて採用してください。
最近ではよく見かける形なのですが、かなり使用方法が変わってきます。
まず客間としての和室をあえて小上がりにする。
これかなりおすすめです。
すごくいいアクセントになり、古いタイプの間取りがすごくモダンになります。
2や3のたたみスペースやLDKの続きの和室にも小上がりは採用されることが多いですが、
これは使用用途を十分検討して採用してください。
この小上がりには、空間を区切る効果があります。
壁や戸がないのに区切りがあることになるので、
見た目は広いのに、その小上がり部分は別の部屋となります。
これは広く見えるというメリットと広く使えないというデメリットがあります。
見た目はおしゃれでいいのですが、
使い勝手はなんだか悪いというのがよく聞く小上がりの感想です。
たとえば、小上がりにあるものをとりたいとき、
段差を上って取って、また降りる。
こんなことが何回か続くと非常にストレスとなるようです。
たまに使うものとかも置けないスペースって少しもったいないかも。
こういうこともありますので、使用用途などを十分考慮して小上がりは作るべきだと思います。
むしろ、見た目や使い方で何か特別なこだわりがないなら、
小上がり和室は採用しないほうが無難かもしれません。

小上がり和室について、デメリットを大きく扱いましたが、メリットも確実にあります。
それはきちんと別の部屋のように使えるのに、
一緒の部屋にいるように感じられること。
たとえば子供の遊び場として小上がり和室を使ったとき、
小上がりには、おもちゃを出してもいいけど、
そこから外へは広げてはいけないというルールとする。
そうするとリビングなどまでおもちゃが侵食してきません。
でも、両親の目の届く範囲にいっしょにいる。
こういった意味では便利に使えます。
ただ、子供がきちんとルールを守れるか?という問題もありますが。
それからやはり小上がり和室の一番のメリットである見た目。
見た目のために、多少不便になるかもしれないことは仕方なしとする。
これもありです。
ただのたたみスペースにすると普通の間取りだったのが、小上がりにすると洗練されます。
でも、不便になるのは嫌と思うかもしれませんが、
使い方を考えてみて、場合によっては不便になるかもという程度ならば、
見た目を優先させるのもいいと思います。

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