太陽光発電による買取価格は毎年下がり続けています。
2018年現在は10kW未満では 26円、10kW以上では 18円となっています。
急激に買取価格は下落。
同時に設備、太陽光パネルの価格も下がっており、初期投資費用が下がっているので、まだ費用を回収できないわけではありません。
ただ、新築だから太陽光発電を、という考え方はあまりお勧めできません。
大きな費用がかかる
太陽光発電を屋根に乗せる。
屋根にパネルを敷き詰めて、パワーコンディショナーを設置する。
総額どれくらいになるでしょうか?
現在は金利も安いため、借りてでも太陽光を導入しようと考えるかもしれませんが、初期費用に大きな費用がかかり、それを10年くらいで回収して、さらに10年くらいで利益を出す。
業者から提示される資料でも確かに利益は出るのがわかる。
ただ、投資に対しての費用の回収があまりに時間がかかりすぎます。
リスクに対するリターンが見合っていないと思うのです。
現在どれくらいの利益になるかはわかりませんが、300万の投資で、20年後、200万くらいの利益とします。
これの年の利回りに換算すると、3%を割っています。
想像以上に低い利回りだと感じませんか?
とは言え投資としては、悪くないどころかむしろ素晴らしい成績とも言えますのでこの点を納得できるならそれほど悪い話でもありません。
回収までの時間が長い
20年後何もしてないのに、200万円もらえるなら確かに非常にお得な話です。
でも、それには20年間設備の維持管理を行わなければなりません。
よく言われるパワーコンディショナーの劣化など、設備の更新も必要になってきますし、それに伴う時間も必要になる。
太陽光発電設備の故障に備えて、保険を付けている、という方も多いかと思います。
保険料を考えてもきちんと利益がでる。
そう考えていると思いますが、保険料が上がる心配はないのでしょうか?
太陽光発電設備への保険は、20年とかの長期の契約ではない場合が多いと思います。
そうなると徐々に保険料が上昇していくこともあり得ます。
太陽光発電は、導入当初はすべてが新しいのもあって、ほとんど手もかからず毎月臨時収入となり非常時ありがたいものです。
でも、これはあくまで導入当初の話。
導入から10年前後のあたりからいろいろなところが故障し始める可能性が高いです。
パネル、パワコンの劣化、配線も露出している場合は劣化によりだめになってしまう可能性があります。
これを監視しつつ、異常時には業者に依頼して見に来てもらう。
そして、故障とわかったら、立会いのもと修理を行うなど、後々意外と手がかかるのです。
一般的にどのような設備でも、年月とともに非常に手がかかるもの。
長期の運用というのは、そういったことも検討しなくてはいけません。
パワコンの置き場所が必要
太陽光パネルは、屋根に設置されるため普段はまったく意識することはありません。
ただ、太陽光発電に必要なのは、それだけではありません。
パワーコンディショナーなどの設備も必要になります。
住宅用の太陽光のためのパワコンはそれほど大きくもなく、場所はたいして必要ないかもしれません。
それでも、ある程度の場所は必要。
もしなかったら、戸棚くらい置けたようなスペースではないでしょうか?
家の中で場所をとる。
これもお金は出ていきませんが、場所を借りているとすると費用がかかっているも同然です。
処理費用がかかる可能性もある
20年経って、きちんと費用も回収でき、利益も多少出た。
これで終わりという訳ではない可能性もあります。
今度は家を壊すとき、太陽光パネルを処分しないといけません。
想像よりも処理費用がかかる可能性もあるのです。
処理に費用がかかるなら屋根に乗せっぱなしでも、と考えるかもしれませんが、そうなってしまった太陽光パネルはメンテナンスされなくなり、今度は台風などの時に飛ばされてしまい落下するというリスクもあります。
家に付随する設備ではない
新築の多くの家に太陽光パネルが付いています。
なんだか太陽光パネルは当然つけるべきもの、というような気がしてしまっているかもしれません。
でも、家と太陽光発電はまったくの別物です。
家は衣食住という言葉の住の部分、生活の基本の中に含まれています。
では、太陽光はというとお金を稼ぐための設備。
家と太陽光発電の二つは、まったく異なる性質を持っています。
単純に言うなら、太陽光発電は純粋な投資です。
株や不動産投資と同じことと言えます。
お金を借りて、投資用のマンションや株を購入することと大差ないのです。
あなたは、株や不動産投資を行っているでしょうか?
もともと投資をしているという方は、検討してもいいかもしれません。
年利3%できちんと20年運用していくことは至難の業です。
10kW以上の20年間固定買取というのは投資として純粋に考えても魅力的です。
でも、投資があまり好きじゃない、リスクがあるものは嫌い、という方は太陽光なしという選択でもいいのではないでしょうか?
住むための家と投資物件である太陽光発電が切り離せず結びついていることもリスクの一つとも考えられます。
きちんと投資として太陽光発電を判断することが大切だと思います。
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