収納率という考え方があります。
家の床面積に対して収納の床面積がどれくらいあるか?
その割合を表したものが収納率です。
8%以上は欲しい、とか、10%以上あるといい、などいろいろなことが言われています。
でも、収納率って本当に大切な数字でしょうか?
面積だけでは意味がない
収納率は家全体の収納の面積だけに注目している数字です。
これは実際のところあまり良い指標とは言えません。
収納の目的は、ものをしまうということ。
物をしまうというのは、どこかに押し込んで見えなければいいというわけではありません。
どこにあるかすぐにわかる。
使いたい時に取り出しやすい。
それでいて見た目にきれい。
これらの条件を満たして、やっと物をしまうということになるのです。
このように考えると、収納率というものがいかにいい加減な数字であるかわかると思います。
収納の形状も考える
収納の面積が大きくても使い勝手は異なる。
そういうことはよくあります。
その中でも代表的なものは、収納の開口部の大きさ。
収納の面積が同じでも、その開口の幅と奥行によって実際に使える面積は異なります。
当然ですが、開口の幅が狭く深いより、幅が広く浅いほうが使い勝手はいい。
奥行が深いものはどうしても取り出すときに前のものをどけたりという作業が必要になります。
これでは収納の面積が広くても、便利に使うことは難しいです。
ウォークインクローゼットの功罪
ウォークインクローゼットは、間取の制約からクローゼットの開口が狭くなってしまう場合に有効です。
ただ、ウォークインする必要があるため、どうしても真ん中を通路にして、その左右に収納を設けるような形となります。
通路が必要となるので面積を取る割には意外と収納スペースは少なくなってしまいます。
実際に使ってみると、実は普通のクローゼットのほうが使いやすいという面もあります。
クローゼットは、いわゆるタンスの代わりのような使い方になりますが、ウォークインクローゼットは少し異なります。
部屋にタンスがあるわけではなく、別の部屋にある形です。
洋服を洗濯してクローゼットにしまうときとの違いを考えると、なんとなくなのですが、ひと手間余分な動作が必要だなと感じることがあるのです。
極度のめんどくさがりの方はウォークインでないほうが便利と感じるでしょう。
人がいる場所に大きな収納を
収納率はあまり有効な指標ではない、ということがわかっていただけたでしょうか?
そのような数字を考えるよりも、使いやすいのいい収納を使いたい場所に作ることのほうがはるかに重要です。
使いやすいというのは、その収納にしまうものによって異なりますので、それぞれ異なるのですが、使いたい場所というのはある程度決まっています。
リビングです。
結局、人がいるところで物は使います。
人が常にいるようなところはリビング。
そして、そこは個人の部屋でもないため、家族みんなのものが置かれたりします。
そりゃあ収納が足りなくなるわけです。
リビング周辺の収納を充実させることが収納を考える上で最も大切なことです。
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