ハウスメーカーのデメリット

家作りの考え方

どこに家を建ててもらうか?
注文住宅で家を建てるとき、最初に悩むことです。
はじめに検討するのは、ハウスメーカー。
特に大手のハウスメーカーには、
たぶんつぶれないであろうという安心感があります。
家を建ててもらう会社を検討しているときに、
まず心配になり考えるのが建築中に会社が倒産しないか。
その点では、確かに大手ハウスメーカーは潰れたりしなさそうです。
そして、トラブルの際にも、対応がよさそうな気がする。
大手ハウスメーカーを選ぶのはこういった理由からでしょう。
ただ、ハウスメーカーにもデメリットはたくさんあります。
当然メーカーの営業さんはデメリットについては、教えてくれません。
では、どういうデメリットがあるのか?
あえてデメリットだけをあげてみました。

値段が高い

これはだれもが知っていると思います。
ハウスメーカー、特に大手の名が通っているようなところは、とにかく高い。
せっかくの注文住宅なので、ちょっとこだわりの家をと考えると、
総予算で考える坪単価は70万を簡単に超えていきます。
私が検討していたとき、頂いた見積では、
延べ床約40坪で、約3000万オーバーでした。
メーカーによって多少値段が上下しますが、
ちょっとでもこだわりを入れれば、たいていこれ位か、
これ以上の金額になるでしょう。
これが工務店になるとほぼ同じでも、かなり安く上がります。
1割以上、もしかすると2割近く安くなることもある。
ただ、これもほぼ同じであって、同じではありません。
これが気になる場合、大手メーカーを選ぶのだと思います。

自由ではない

注文住宅だと間取りなんて何もかも自由に変えれる。
でも、実際には自由ではありません。
構造上の理由などでいろいろと制限が出てきます。
ここまではどの会社で建てても同じです。
ただ、大手メーカーには、その会社独自のルールが存在しています。
そのメーカーの専用部材であったり、構造の都合から、
素人考えでは簡単にできることも、絶対にできないと言われてしまうことも。
これは仕方の無いことです。
ハウスメーカーがやっていることは、
今まで大工さんが現場にて調整して作っていたものを、
できる限り図面化し、工業製品のようにして家を建てようということですから。
なので以前は、家を建てると、
大工さんの腕によって違うものが出来上がってしまったのですが、
それを多少の腕の差は出ないように作られています。
これがハウスメーカーです。
自由に設計なんてできるはずもありません。
これは特にユニット単位で作るメーカーに顕著です。
工場での作業を増やし、できる限り現場での作業を減らす。
現場作業を減らし、工作業を増やせば増やすほど、自由度は下がっていきます。

保証はあるが・・・

この点については、大手ハウスメーカーのメリットだと考えられていますが、
実は、メリットだけではなく、大きなデメリットでもあります。
大手メーカーではとても長い保証期間が設定されています。
ありがたい話ではあるのですが、
そもそも保証の範囲をきちんと把握しているでしょうか?
細かい話になりますが、保証範囲と思っていたものが、
範囲外というのは、よくある話です。
そして、その驚くほど長い保証期間について。
よくあるパターンは、10年目までは保証します。
そして、10年後点検を実施し、点検結果から、メンテナンスが必要ならば、
メーカー側の提示するメンテナンス工事を実施。
工事完了後、もう10年間保証しますというもの。
これをもう一度繰り返し、30年保証だったり、
メーカーによっては、50年保証というところもあります。
ただ、ここで問題は、メンテナンス工事です。
これは当然有料の工事となります。
ここで、例えば、工事見積が100万とだったら、
ちょっと高いけど、100万円かけて工事して、
もう10年保証をというのもいいでしょう。
ただ、この工事見積が、300万と提示されたらどうでしょう。
さらに、もし500万だったら・・・。
こう考えると保証期間の長さは、単純にメリットといっていいのでしょうか?
甚だ疑問です。
せっかく長期保証なので、とメンテナンスを実施する口実のようになってしまっています。

維持費も高くなる

メンテナンスのために大手メーカーを選ぶ。
よく耳にしますが、それは確かにその通り。
会社が潰れてしまっては、
建ててもらった会社にメンテナンスをお願いできませんから。
その点だけはメリットですが、メンテナンス費用について考えると、
大手のデメリットが出てきます。
大手メーカーでは、たまにそのメーカーオリジナルの部材を使用したりします。
そうなると、他の業者に頼むことはできません。
部品さえ手に入れば簡単な修繕なども、絶対にハウスメーカーに頼まなければならない。
家を建てる時と同様に修繕工事などのメンテナンス費用も大手メーカーは高い。
そのため維持費も高くなってしまいがちです。

メーカーには良い面もある

デメリットだけをあげましたが、最後にハウスメーカーのフォローを。
私が個人的に考えるハウスメーカーの一番のメリットは、
建てる時も、維持管理も、楽であるということ。
例えば、建てた建設会社がつぶれてしまった。
メンテナンスや修理のために他の会社を探さなければなりません。
でも、大手メーカーなら安心。
そんなに簡単にはつぶれませんから。
建てる時も同じです。
大手メーカーの標準仕様は非常によくできており、
オプションについてもよく考えられています。
そのため、普通に選択していけばおかしなことにはならないようになっています。
そうなんです。
大手メーカーだと、工務店などにくらべ、
お任せで短時間で簡単に家を建て、維持管理することが可能なのです。

でも、ここに一点但し書きが必要。
”お金があるならば” です。
維持管理だって、大手ならどんなことでも依頼できると思います。
これが小さな工務店になると、修理の種類によっては、
お願いできなくはないのですが、直接業者に頼んでもらっていいですよ、
なんて言われてしまいます。
たしかに、工務店も業者に頼むだけなのですが、間にはいるのも忙しくて面倒なんでしょうね。
こういう点が、ハウスメーカーは非常に便利。
窓口が一個で済むので、手間が省けるのです。
確かに工務店は安い。ハウスメーカーは高い。
でも、楽に結構いい家が建つ。また、維持管理も楽なのがハウスメーカーかもしれません。
個人的には、お金に余裕があるならば、ハウスメーカーで建てたいと思います。

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