玄関ドアの開く方向について考えたことはありますか?
普段、玄関ドアの開く向きなんて気に留めることはありません。
家を購入するときになって初めて考えた、という方は多いと思います。
玄関ドアの開く方向は、一般的に右利きの人が使いやすい方向、家に帰ってきたときに玄関に向かって右側に開くというものが一番多いのではないでしょうか?
玄関ドアの開く方向の考え方
利き手で引きやすい方向
右利きだと右手で引いて開けるのが一番使いやすい。
左利きだと、その逆になります。
でも、この考え方だと、家から出ていくときは使いにくいのでは?と思うかもしれませんが、やはり扉を開けるときに、押すときよりも引くときのほうが操作が若干やりにくいので、引くときにやりやすいことを重視して考えます。
そうなると玄関は外に開きますので、右側に開くのが一番多いと思います。
操作のことだけを考えるならこれで答えは出ています。
でも、ドアの開く方向を決めるときに考えるべきことはそれだけではありません。
動線を考慮する
ドアを開けて出かけるとき、まずどちらの方向に向かうか?ということも考える必要があります。
道路に出るのか、駐車してある車のほうに行くのか、とにかく外出時に玄関から出て一番よく進む方向を考えます。
理由は、もちろん扉の開閉に関係します。
玄関を出て向かう方向に開いた扉があると扉が邪魔になって動きにくいのです。
家に帰ってくるときも同様です。
下の図のように扉が邪魔になって余計な動作が必要になります。
おそらくほとんどの方は、それほど気にならない程度の余分な動作だと思います。
でも、それが毎日のことになると小さなストレスも大きな不満になってしまいます。
さらに、普通に外出、帰宅するときはまったく気にならないのですが、急いでいるときには、この扉の向きがすごく気になる場合が出てくるのです。
なので、扉は玄関を出て向かう方向の反対に開くようにする。
動線を考慮して玄関の開く方向を考えるとこのように開く方向を決めることになります。
では、出かけるときは、駅に向かって歩いていく時もあるし、車に乗るときもあり、その割合は半々くらい、どちらの方向にも大体同じくらいの頻度で向かう方向がある、というような場合はどうするか?
この場合は、基本的に車のほうを優先すべきです。
理由は、車のほうが複数人が同時に玄関の出入りをする可能性が高いから。
動線を重視といっても、一人で出かけたり帰ってきたりというときには、鍵をあけて玄関を開ける、という動作になります。
このときは、結局玄関前で鍵をあけるという一つの動作あるので、扉の開く方向は、動線にあまり影響を与えず、ほとんど気にならないと思う。
これが家族4人で車で出かけて帰ってきたとすると、最初に一人が鍵をあけて、玄関を開けたら、そのまま4人が玄関から家に入っていくことになります。
この場合、玄関は大きく開かれたままの状態でそのまま全員が家に入り、最後の人が玄関を締める。
ドアが開いたままになるということは、扉が邪魔になってしまうということです。
家族で電車で出かけるということもあるとは思いますが、やはり車があるなら家族で出かけるのは、車を使う場合のほうが多くなると思いますので、車を優先すべきだと考えます。
この辺りは、それぞれのご家庭により異なりますので、あくまで基本的な考え方の一例としてとらえてください。
道路からの視線を考慮する
扉を開けたときに家の中が丸見えになってしまう。
これはうれしいことではありませんよね。
この点から考えると、玄関扉は、道路側に開くことが望ましいのです。
こうすることによって、扉により視線を遮ることができます。
この考え方で玄関扉の開閉方向を考えると、動線を基準としたときとは、逆になってしまうかもしれません。
道路のほうに歩きだすことが多いのに、そちらに扉を開けるわけですから。
動線と道路からの視線で開閉方向が逆になった場合は、道路からの視線を重視したほうがいいでしょう。
動線に玄関ドアがあると確かに邪魔ではあります。
でも、玄関ドアの動線に対する影響は先ほど書いたように、それほど大きいものではありません。
あくまで小さなストレスです。
土地の関係から玄関正面のスペースがまったく取れないという場合以外は、玄関を出て正面に少し歩いてから左右に曲がる、というような動作ができるなら、動線に対して玄関ドアはほとんど影響ないとも言えます。
それよりも玄関ドアを開けるたびに道路を歩いている人に家の中が見えてしまうほうが大きなストレスです。
この場合は、道路を歩く人や、近所の人の視線を重視して玄関の開く方向を決めるといいでしょう。
風向きを考慮する
玄関扉に対する風の方向は、少しだけ考慮してみてもいいかもしれません。
特に、冬場の風向きは要注意。
冬は非常に風が強いことが多いと思います。
その時、風の力によってどちらに扉が持っていかれるか?これが問題。
本当はどちらにも風の力が加わらないほうがいいとは思うのですが、あえてどちらがいいかと考えると、個人的には、扉が開けにくい方向に風が吹くほうがまだましなのではないか?と考えています。
扉を開けるときに重たくて、締めるときには一気に締まってしまう、という向きです。
これもあまりうれしいものではなく、嫌なものではあるのですが、逆よりはまし。
扉が急に開く、この場合、扉が外にいる人にぶつかったり、玄関先においてあるものにぶつかったりする可能性があります。
強風の時には、風の力で玄関ドア自体や家の外壁が損傷する可能性もあります。
それよりは、締まる側に力がかかるほうがいい、という考え方です。
ただ、小さな子供がいる場合、締まる側に力がかかるわけですから、強風により玄関が急に閉じて指を挟むなどの危険もありますので、どちらにしても危険はあります。
考え方次第でどちらにもデメリットがありますので、風についてはそこまで重視しなくてもいいのですが、そういうデメリットも想定しておくために、考えておいてもいいかもしれません。
おすすめの玄関の形
玄関の形状としておすすめの形があります。
よく見る玄関の形だと思いますが、このように玄関が引っ込んでいる形状です。
まず、これだと開閉方向により動線を気にする必要はありません。
どちらに開いた時でも、それほど扉が邪魔にならないのです。
また、軒の大きさを自然と広げられるのもメリットの一つ。
玄関を家のラインとフラットに配置するとそこに軒を付けたとしても、風の強さによっては想像以上に雨が吹き込みます。
これが、上の図のように外壁面から少し引っ込んでいると軒を延長したのも同然ですので、当然軒の大きさにもよるのですが、玄関までは雨がほとんどかかりません。
でも、デメリットがまったくないかというとそうではありません。
見た目の通り、家の中に玄関が引っ込んでいますので、玄関内が少しだけ狭くなってしまいます。
玄関が狭くなるのが嫌な場合、そのしわ寄せは室内の広さへと波及してしまいます。
デメリットがあるとはいえ、個人的にはメリットのほうがはるかに大きいと思いますので、おすすめの形状です。
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